加藤紘一オフィシャルサイト

先日、公的年金一元化に関わる自民党年金議員連盟の提言が、実現に向けて第一歩を踏み出しました。この提言は、当議連で過去4回に渡り会議・勉強会を重ねたものを12月6日の会合にて政策提言にまとめ、小泉総裁・中川政調会長・丹羽社会保障制度調査会長へ提出したものです。
これまでの経緯も含めご報告します。

会 長 加藤紘一

副会長 山崎 拓 高村正彦
幹事長 木村義雄
幹 事 鴨下一郎 大村秀章
原田義昭 佐藤 勉
小野寺五典 北川知克
菅原一秀 阿部正俊
景山俊太郎 林 芳正

12月7日 提言を議連幹部が代表して中川政調会長へ提出

提言を議連幹部が代表して中川政調会長へ提出いたしました(写真)。そこで中川政調会長より「(追加費用廃止の方向で)私もがんばりますので、議連もがんばってください」とのお話がありました。
 その夕、中川政調会長より加藤会長へ、「小泉総理が追加費用については、議連の提言どおりに進めるよう指示があった」との電話がありました。このことが翌日(12月8日)の新聞各紙で記事となりました。(添付記事ご参照)

10月27日設立総会議連の発足。さらに「年金制度」について厚労省から説明を受けた後、質疑応答。
11月9日第2回議連 (勉強会)「恩給制度から生まれた共済年金・退職手当と議員互助年金 」をテーマに総務省・財務省との議論を深める。
11月29日第3回議連 (勉強会)厚労省・財務省・総務省・文科省担当者が参加し、フリーディスカッション。特に「追加費用」の問題がクローズアップされた。
12月6日第4回議連事前に幹部会でまとめた質問書に財務省・総務省から回答をもらったが、追加費用の問題が今後の一元化議論にとっても重要であることから、政策提言をとりまとめた。(内容は下の通り)
第4回年金議連会合にてまとめられた提言


▼ 年金一元化は、小泉改革の重要な公約である。
▼ しかるに、政府レベルでも政党間協議レベルでも、一元化は実態として暗礁に乗り上げた感がある。
その理由は、共済年金側が抜本的な統合に消極的だからである。それはなぜか。
▼ それは、現行の共済制度が税金の投入により、非常に有利なものだからである。

共済年金3つの特徴
(1)戦前から続く最も古い年金制度 ⇒ 従って、受給者割合が最も高い■ 年金扶養率 国共済:1.76人で1人のOBを支える 地共済:2.09人で1人のOBを支える 厚生年金:3人で1人のOBを支える 国民年金:3.05人で1人のOBを支える
(2)保険料率が、厚生年金よりも低い■ 保険料(率)(1,2階部分比較) 国共済:13.5% 地共済:12.7% 厚生年金:14.3% 国民年金:13,580円
(3)受給者の受取る年金額が、最も高額■ 受給額(平均年額) 国共済:270万円 地共済:280万円 厚生年金:205万円 国民年金:71万円(老齢基礎年金)
なぜ、このような不思議なことが維持できるのか。

▼ 昭和34年以降、制度外の税金が「追加費用」という名目で、投入され続けているからである。
◇ 追加費用の額 国共済5,200億円、地共済1兆3,400億円(平成15年度)
■ この投入を来年度より、停止すべきである。

第4回議連終了後、とりまとめた提言について記者発表をいたしました。その際、記者からさまざまな質問が出されましたが、そのやりとりの一部は今後の議論における想定問答とも言えますのでご紹介いたします。(数字は平成15年度分です)

追加費用の1兆8000億円がなくなると、公務員OBの人達に年金が払えなくなりませんか?
Q いいえ。
公務員共済年金の支払額は、7兆5000億円(国共済+地共済)ですが、積立金が両共済合せて46兆5000億円もあります。これは、今まで投入されてきた追加費用の総計にほぼ一致する額です。この積立金に加えて、そこから生ずる利息が毎年約1兆円ありますから、いままで通りの年金を、十数年にわたって払い続けることができるのです。

Q しかし、そうは言っても共済年金は影響を受けますよね。
Q 厚生年金との格差をなくす為に、現役世代の保険料率を上げるとか、受給額を下げるなど、制度の見直しは必要になるでしょう。しかし、それは、民間(厚生年金)では、すでに起きていることです。

Q それにしても、なぜ毎年1兆8000億もの税金が投入されることになったんですか?
Q 昭和34年(国共済)、昭和37年(地共済)に、恩給制度から共済年金に移行する際、恩給部分を税金でまかなうことを国会で決めてしまったのです。当時の大蔵省は、「税金投入は将来大変なことになりますよ」といって止めたのですが、社会党(当時)労働組合系の議員のゴリ押しで法案が通ってしまいました。

Q 46兆円の積立金があるとのことですが、政府で管理しているのですか?
Q いいえ。
国税収入よりも多額のお金が、(政府外の)共済連合会で運用されています。