加藤紘一オフィシャルサイト
9月21日(木)、加藤紘一が会長を務める交通安全議連の会合がありました。飲酒運転取締り強化で毎日のように報道に触れるこの頃ですので、今回はこの議連の活動について、加藤紘一よりご報告をさせていただきます。 私は10年ほど前から、自民党の交通安全議連の会長を務めています。当時、自治大臣を終えたばかりの白川勝彦さんに「この議連の根回しをしてきましたので、ぜひ加藤さんには会長を」と声をかけていただき、スタートしました。その後、白川さんは国会議員を落選し、現在は私と竹本直一さんの2人で地味に続けています。 この10年間、警視庁も努力をしてきました。事故発生後24時間以内の死者数について言えば、昭和26年には年間4000人でしたが、その後モータリゼーションの影響で昭和45年には1万7000人にまで登りました。それを受けて道路整備や道路標示の向上を図る大キャンペーンをはり、昭和54年には8400人にまで減少したのです。 残念ながら、その後に同死者数は急速に増え、平成4年には1万1500人になってしまいました。何とか再びこれを減らすべく、議連が働きかけて歩道や歩道橋の設置、信号機や踏切の増設といった整備の予算を取り、新たな大キャンペーンを支援してきました。その結果、昨年には年間6871人にまで減少したのです。 統計によると、人口10万人当たりの事故死者数の世界1位はギリシャで19.3人です。2位がポーランドとアメリカで14.5人。お隣の韓国は13.7人、日本は4.5人です。この数字は素晴らしいものです。しかし問題は、最近話題の「飲酒運転」。先日、福岡市で幼い3人の子どもが痛ましい事件に巻き込まれたことはみなさんご承知でしょう。13年6月に飲酒運転を厳罰化する道路交通法の改正があってから、それまで年間の飲酒運転による死亡事故件数1200人だったところが700人代に減りましたが、最近その数が減り止まり、何とかしなければと思っていました。 交通事故というものは、もちろん犠牲者にとっては突然に見舞われる不幸ですし、加害者の多くもヤル気があったわけではありません。しかし、飲酒運転は違います。お酒を飲んだら、事故を起こす可能性は明らかに高まるわけで、それを放っておくことはできません。 昨日開いた交通安全議連の会合で、八代交通局長が福岡の事件のことについて「3人の子どものため、お母さんは4回も海の中に潜った」ということを報告しながら、嗚咽で絶句していました。それほどむごい事故だったということです。 飲酒運転の事故現場では、当人をすぐ取り調べるよりも、犠牲者の救出・救命に当たることが優先されますし、もし加害者が逃げた場合には、時間の経過とともにアルコールが抜けて検知できなくなるなど、対応が難しいところがあります。集会の参加者からは、「飲ませた飲み屋のママにも責任はある。ましてや助手席に座っていた人間には、もっと責任がある。その厳罰化を」との声も聴かれました。 私もその席で「酒飲み運転は本当に許されない行為。絶対にしないという国民運動を展開しよう。それもただのキャンペーンではなく、宗教の信心に近い域にまで高めよう。アラブ人は豚肉を食べない。日本人は飲んだら飲まない。それが当たり前になる日まで、キャンペーンを続けていきたい」と話しました。 博多の山笠を見物するハッピ姿の3人の子の遺影を見ながら、飲酒運転撲滅の誓いを新たにしたところです。