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TPPとFTAはどこへ向かうバスか?
平成22年12月3日

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 環太平洋戦略的経済連携協定(Trans Pacific Partnership)、略して「TPP」が、やたらと衝撃を与えている。たまたまちょうど、私が自民党の農林部会の農林水産貿易調査会長を引き受けさせられたのと同時に、この大テーマが湧き上がってきた。

 ブルネイ、ニュージーランド、シンガポール、チリの4カ国で2006年にスタートしたこの国際連携交渉のスキームに、アメリカが加わり、オーストラリア、ペルー、ベトナムも参加の意思を表明。最近ではマレーシアも土俵に上がった。
 一方、韓国は独自にアメリカやEUと自由貿易協定を締結。なにやら「すぐにこのバスに乗らなければならない」「これが最終バスだよ」という風潮が広がり、みんな浮き足立っている。けれども、いったいこの「TPP」という乗り物は、寒いほうに行くバスなのか、暖かいほうに向かうバスなのか、分かって慌てているのだろうか? まだ、どのような仕組みになるのかも明確ではないというのに。

 アメリカのFTAにしても、農業問題が中心だとよく言われているが、去年の衆議院選のときには、戸所得補償方式で農家を保護するから貿易の波なんて怖くないと言ってアメリカとのFTA交渉促進を謳ったはずの小沢代表が、今は民主党の先頭を切って反対に立ち上がった。いったいどうなっているのだろう。
 冷静に考えて、アメリカが農作物で迫ってくることはもうあまりないだろう。なぜなら牛肉はもう充分に日本に入っているし、オーストラリアのほうがずっと競争力がある。コメだって、競争力は中国のほうが上だ。今のアメリカは、砂糖を重要農産物として守っているから、日本のコメを完全に裸にしろなどと言えた義理ではない。
 アメリカが迫ってくるとすれば、BSEの観点からだろう。アメリカ産牛肉は20ヶ月以下の牛しか入れていないが、それを撤廃せよというかもしれない。それとも、遺伝子組み換え大豆を差別するな、と言ってくるか。せいぜいそれくらいだと思われる。
 アメリカの本当の狙いは、このまま黙っていると、日中韓で自由貿易協定を結ばれて、アメリカがアジアの貿易システムから排除されることだろう。それを先制防御しているのではないかと思う。
いずれにしても、来年の6月までは、農業の自由化問題で忙しくなりそうだ。

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