自民党と民主党の違い
平成22年6月22日
このメッセージはテキストのみとなります。
菅直人首相が消費税を10%に引き上げると言った。それだけではない。自民党の公約の資料も参考にして、「そのあたりがいいところではないか」と言った。
これでメディアは「自民・民主の違いが一層わからなくなった」と書いている。たしかに、税金政策はギリシャ時代から現代まで、政治のど真ん中なのテーマであった。両党はその点で近づいたのだ。7月11日の投票日に向け「両党の違いを目からウロコのような大きな記事を書け」とデスクに命じられた若手の政治部記者に同情する。
もともと、自民党は1955年に「この国を社会主義にしない」ことを任務として創立された政党だ。38年間闘い、1992年にソビエトが崩壊したとき、大勝利のもと歴史的使命を達成した政治集団なのだ。その後、目標を失ったまま、統治能力の卓抜さで政権を維持してきた。一方、民主党は、その自民党を嫌いになった人々が「反自民」で結成したにすぎない。昨年、政権交代をなしとげた瞬間、こちらも歴史的使命を達成してしまった。気づいてみるとこの党には綱領もない。イデオロギーも哲学もなかった。そもそも綱領がなくて政党といえるのか。ただ、政党や所属議員の鮮度は、やはりまだ違う。フレッシュな印象は残るが、ここ10カ月間やってきたことを見ると、急激に老化しつつある。ドッグ・イヤーで老けつつある。若い記者に両党の根元的な差異を書けと言うのは、それは酷な話だ。
去年のあの暑い総選挙。告示の前日(8月15日)、このHPに自民・民主とも地域社会に根をおろそうとする地域政党を目指すだろうと書いた。ただあえて、差異を求めるとすれば、民主党が労働組合、とくに官公労組の支持を得ていることだと指摘した。そして「今回の選挙を闘いながら自分たちの政党の性格を形成する作業をしていくし、その際、労働組合が存在感を出し始める」と述べた。それから一年足らずの動きを見ると、間違ってなかったように思える。いくつかの事例をあげてみる。
- 政権交代ムードが終わって、追い風がやんだ今、民主党の選挙活動はどこでも連合が中心となっている。
- 小沢幹事長の懐刀は高嶋参議院議員だったし、現在、輿石東参院会長は、民主党の動きを決めている最高実力者。それぞれ自治労、日教組出身。
- マニフェストの主要テーマ「公務員人件費総額を4年間で20%カット」には一切手が付けられていない。実行すれば7兆円ほど財源が浮く。子ども手当の財源も十分まかなえる。だが、できるわけがない。
- 年金一元化法案は棚ざらし。議論もされていない。有利な公務員年金の既得権消滅は民主党にはできない。
8月15日のメッセージのタイトルは ───「地域の自民」と「組織の民主」という選択肢 ─── であった。だんだん心配したとおりになってきた。












