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あきれた事故米転売の顛末
平成20年9月16日
このメッセージはテキストのみとなります。

WTOの取り決めで、日本が最低限の義務として輸入しているコメ(ミニマム・アクセス米)は年間70〜80万トン。その中から、基準値を超す農薬やカビの発生が確認されているコメを「事故米」といいます。この事件が発覚するまで、多くの国民が、そんなコメの存在すらご存じなかったことでしょう。
この事故米は、現在の日本の基準に照らし合わせて「食用には適さない」という扱いを受けているものですが、実際に口に入れたからといって、人体には大きな被害を及ぼさない程度であろう、と言われています。しかし、食用でなければ利用することはできるので、工業用のノリの原料として、民間に安価に販売されていたわけです。
三笠フーズに、政府は「ノリ用」として売りました。三笠フーズは、事故米と知って安価で購入し、食用として正規の値段で売りさばいていたのですから、あきれてものが言えません。何よりもまず、許されないのは三笠フーズです。
第二に、農水省です。5年間にわたり、計96回も立ち入り検査を実施していたというのに、見抜けなかったとは。企業と役人が、現場レベルでなれあいの関係になっていたのではないかと言われても仕方ありません。明らかに農水省の検査には、厳しさがありません。そのなれあいに対する非難を正面から受けとめて、もっと真摯に反省する姿勢を国民に示すべきでしょう。

それはそれとして、先日のワイドショーでは、ゲストのコメンテーターが「毒の入ったお米を食用として買って、それが食用に使えないというのであれば、契約違反だ。なぜ日本は輸出国に突き返せないのか?」と日本政府の対応を糾弾していました。
しかし、これにはちょっと誤解があります。今回、流出してしまった事故米ですが、買った時点では日本の基準値を超えてはいません。購入したあとで、日本が基準を厳しくしたのです。買った当時には相手の国に「はい、合格です」と言って買ったのですから、今さら「やっぱりお返しします」とは言えません。
農水省は今後、汚染米の売買を全面的に禁止することとし、ミニマム・アクセス米に汚染米が含まれていることが輸入検疫で判明した場合には、輸出国に返品するとしています。それは正しいことでしょう。しかし、以前のものも返せ、というのは正論ではありません。
日本の食の安全を大きく揺るがす事故がふたたび起こってしまいましたが、少なくとも人体への被害は確認されていません。客観的な目で、今後の対応を監視していきましょう。