ごぶさたしております。最近かなり多くの時間を、食糧問題・農業問題に費やしています。自民党の「食糧戦略本部」の本部長という仕事も託されまして、今、党内で単なる農業の話を越えた国際的な食糧戦略を日本はどう取るべきかという議論をしています。
不思議なもので今から15年、20年前、我々農業関係議員が「食糧自給率、食糧安保を日本ではちゃんと作っておかなきゃいけない」という議論をやってたんですが、その時に多くのメディアから「それは単に農民の支持を得るための選挙対策の議論ではないか」と言われました。それに、いざなんどき食糧が買えなくなるというようなことがあったとすれば、その時、実は日本は石油もほとんど買えない国になってるはずだ、だから食糧だけ買えないというような議論は元々成り立たないのだ、といういわゆる国際分業論、そしてマーケット・メカニズム論が非常に強かったんです。
しかしここにきて、もちろん原油も高くなりましたが、同時に食糧も麦、大豆、米が3倍、4倍の国際価格になっていき、そして数多くの人が食糧自給論、日本はもっと自給率を上げなければいけないという議論をしてくれるようになりました。ある意味ではありがたいことです。
でも食糧自給率って何だろう。実は私は、「食糧自給率とは1、8、15だ」という変なことを考えています。つまり、とうもろこしを人間がそのまま食べると「1」のとうもろこしエネルギーは「1」として体に吸収されます。しかしそれを豚に食べさすと8分の1のエネルギーしか人間にはきません。もっとも、おいしい豚肉ってものに変わってるわけです。牛肉の場合には「15」のとうもろこしを食べさして、「1」の肉のカロリーが手にはいるというものです。言うなれば、穀物の使い方にしてみれば、牛肉は15倍の贅沢、豚肉は8倍の贅沢、にわとりは4倍の贅沢、卵は2倍。値段もその順番で高くなってます。今、日本の食糧自給率が低いのは、この酪農畜産物、つまりごちそうを大変多く食べるようになったからです。そして、天ぷら、コロッケなどの揚げ物をいっぱい取るようになったからです。昭和40年の頃、我々は肉はほとんど食べられませんでしたし、それから天ぷらも何度も何度も油を使った焦げ茶色のものでした。日本人の食料が世界中から穀物を買って、贅沢なものになっているんです。でも基本的自給率、つまり日本ではごはんに味噌汁、納豆、豆腐、さんまの開きにいわしの丸干し、こういうものはしっかりと作っておかなきゃならん。この自給率について、まだまだ「基本的自給率」と、余裕を持った「総合食糧自給率」、この二つの区別がなかなか出来ないので、今、一生懸命どうやってPRしようか考えている毎日です。