最近、周囲が騒々しくなってきました。世界的な食糧危機の問題に加え、町村信孝官房長官の「減反をやめてもっとコメを作ったほうがいい」という発言。今、日本の食料自給率を上げなければいけないという論調が、急速に高まっています。
考えてみると、今から15〜20年前には、「食料自給率なんて議論に値しない」という風潮がありました。メディアも、「お金があれば食料は外国から買える」ということを言い続けていた。「いざというときは、食料だけでなく原油も入ってこないから、食料自給論など言わない方がいい」といったことが、新聞の社説でも論じられていたほどです。そんな中、我々のような農林議員は、「票のために農業を守っているにすぎない遅れた人」という扱いを受けてきました。
ところが、そんな人も今ではみんな「自給率、自給率」と言っています。そして、官房長官の「減反政策中止」発言です。コメをもっと作ってもいいじゃないかという言葉は、減反をしたくない農民には心地よく響いたかも知れません。しかし、食料自給率向上の最大のポイントは、もっとたくさんコメを作ることではなく、日本人がどうしても必要としているものを国内でいかに作っていくのか、なのです。
日本人に必要なものは何かといえば、私は大豆と麺用の小麦だと考えています。大豆は言うまでもなく納豆と味噌、醤油の原料です。また、日本人は江戸時代から、讃岐うどんや揖保の糸など、小麦をこねて麺を打ち、食べ続けてきました。ところが現在は、大豆も小麦も、そのほとんどを輸入に頼っています。それを国内産にすることが自給率向上につながるのです。
そのうえで、さらに国民がおコメをもっと食べてくれるなら、これに越したことはありません。そんな時期に、1年生の女性議員が中心になり、米粉パンなどを広める運動をしたいという動きが出てきました。そして、私のところに会長になってくれないかという依頼があり、喜んでお手伝いをすることにしました。みなさんすごいパワーで、議連の設立総会には総理大臣まで引っ張り出してきたほどです。
肝心の米粉ですが、15年ぐらい前では、米粉うどんはすぐにグチャっとしてしまい、パンはちっとも膨らまなかった。正直、おいしいものではありませんでした。そのイメージが消費者にも残っているようですが、技術の進歩はすばらしいもので、今では米粉のうどんはコシがあり、パンもふっくら仕上がってかなりのものになってきました。とくにカレーと組み合わせたうどん、パンがおいしい。カレーとコメを組み合わせたカレーライスは、日本人の偉大な発明ではないか、などと思うようになりました。
現在、米粉の消費量は、お米の0.1%(6000トン)程度ですが、大手製粉業者なども加わって開発に乗り出したら、かなり伸びそうだと予感しています。さらに、輸入小麦粉の代替になれば、自給率向上に大きく貢献します。単にケーキの材料としての米粉に終わるのではなく、食卓や学校給食でそれなりの位置を占めるようになるのではと期待しています。米粉の動向がおもしろくなってきました。