3月26日、超党派の勉強会を行いました。これは、2月11日にイ・ミョンパク新韓国大統領と会見をした訪韓団のメンバーが中心の勉強会です。
あの訪韓団は、日頃よく意見交換をし、政治理念や政策的に共鳴しあえるもの同士がごく自然に声を掛け合って誕生したものでした。それをきっかけに、勉強会を立ち上げることになったのです。
その会の基本理念は、大きく以下の2つにくくれるでしょう。
- 対米外交と並んでアジア近隣諸国との外交も重視する。
- その際、偏狭なナショナリズムをいたずらに振り回すことはしない。
ナショナリズムを政治的手段として利用しようとすると、国内政治的には効果があっても、長い目で見ればかならずそれはブーメランのように政治的指導者グループ、さらには日本国民に帰ってきて、大きな打撃を与えることになります。
偏狭なナショナリズムはダメですが、同時にどこの国にも愛国心というものはあります。我々だって、“リベラル派”の旗を掲げるとはいえ、政治家である以上、当然のことながら愛国者です。だからこそ、「望ましい愛国心」というのをどう定義したらいいのか、ということを勉強しようと集まったのです。
そして第1回の26日、民主党の仙谷由人議員の提案で、同氏の大学の学友であり「北一輝」の研究者として知られる松本健一・麗澤大学教授を講師としてお招きし、「愛国心とは何か」をお話しいただきました。
彼は1993年に発表された、アメリカの政治学者サミュエル・ハンティントンの『文明の衝突』という論文を紹介しながら、「ナショナリズムを高揚させ、国家を統一させていくのは簡単である。国民に統一的な目的を持たせるのも簡単である。外に敵を持たせればいい」という、いわゆる“ハンティントン理論”についてお話しくださいました。こういう罠に落ちてはいけません。こういうことは、実際、世界各地に起きています、と。
それから松本さんは、「愛国心の本当の根元は、自分の郷里を愛することではないか」と指摘し、さらには「その故郷を愛するという心の根元となる日本とは何だろうか」というところまで論じられました。
国民を動かす行動原理というのは、欲望や理性、愛国心以外にもいくつかあります。しかしそれを超えた気概というものがある。その「気概」を持ち得るような日本を定義するのであれば、民俗学者・柳田国男が言っている「日本の定義は島国であり、米作りを基礎として人が定住している社会」という、そこらあたりにもしかしたら答えがあるのかもしれない、というところまで考察は進んでいきました。
その定義をさらに進めて行くには、ずっと昔から伝わる神話の分析というものをやってみる必要があるのではないかともおっしゃっていました。
こういうことを今、もっともっと議論しなければいけない時期なのではないかと思います。
次回は私が担当で、京都大学の梅原猛さんをお招きしました。4月1日14時からご講演いただきます。実は3月24日に京都まで日帰りで会いに行ってお願いしましたところ、快諾してくださいました。「では“この国のかたち”というテーマでお話しをしましょう」と言ってくださり、とても楽しみにしています。
せっかくの大家に来ていただきますので、アジア外交やナショナリズムに関心のある仲間に幅広く声をかけました。
この講演の内容は、のちほどこのHPで紹介しますので、どうぞ楽しみにしてください。
さて、この会の名称は、一部の新聞に「ビビンバの会」と書かれていました。確かに、帰国後の夕食会でビビンバを食べながら話し合ったことがあり、仲間内で仮にそう呼び合ってはいたのですが、正式名称ではありません。この名称では、少し日韓関係に偏っている会という印象を与えてしまいそうですし、もっとこの会の趣旨に適した名前を考えてみたいと思っています。