中国産の加工食品について、論争の輪が広がっています。私は今、自民党の農林族の幹部議員の一人でもあるので、考えることは多くあります。
「中国のものはもう食べたくない」と、誰もが言っています。現に私の家でも、冷蔵庫に入っていた70個入りの水餃子1袋を、もったいないけれど捨てました。また、私は料理が好きで、よく切り干し大根を自分の好みの味に料理していますが、中国産の切り干し大根も捨てました。
しかし、この問題は、食糧の自給率を上げること、所得が上がらない中で生活を切りつめることと切っても切れない三大話で、そう簡単に割り切れるものではありません。
あの餃子に使われている豚肉の生産地は、どこでしょうか。もし中国産であるならば、豚肉の生産のために作られている穀物は当然中国産になります。畜産物を生産するには、平均で8倍ぐらいの穀物を動物に食べさせなければなりません(1kgの豚肉を生産するためには、およそ8kgの穀物が必要)。日本国内でエサ(トウモロコシ)を作って、食肉(豚)を育て、餃子に加工する。それを全部日本国内でやろうとすると、膨大な面積の耕地が必要となってきます。まず不可能でしょう。
冷凍餃子の問題は、広大な中国の耕地と安い人件費を使って行われる中で起こっています。日本はお金があるから、他国の資源と労働力を使ってかなり贅沢な生活をしている。それを放棄できるのだろうかと考えてしまいます。
これは、単に学校給食の問題だけではない。生協やスーパーの冷凍食品陳列ケースだけの問題でもありません。4〜5年前、私は中国の北東部、吉林省の延辺朝鮮族自治州へ視察に行ったとき、食品加工工場も見学しました。おどろいたのは、日本の駅弁や、たとえばお年寄りの家に配達するような給食など、かなりのものが中国で現地生産されているということです。弁当に入っている小さながんもどき、ハンペンやちくわなどの練りもの、カニ風味かまぼこ、煮豆などの食品、さらにはそれを入れている小さなギザギザの付いた紙カップ、食品を仕切る笹の形をした緑色のバランなど、ほとんど中国産です。バランに至っては何十枚で1円といった価格です。
さて、自給率を上げるために、私たちはどこまで粗食に耐えられるのか? 日本で採れたキャベツやほうれん草を油で炒めて食べて、その汁をご飯にかけて猫マンマにして食べる。これが、自給率が上がる最短の道だけど、耐えられるか。イワシ7匹をイナダに食べさせると、ハマチに育ち、最後にブリになる。ブリはおいしい魚だけど、イワシを我々がそのまま食べれば7分の1ですむ。「イワシの刺身だって食えるよ」ということを、みんながどう認識するのか。
全国の主婦のみなさん、 国産の野菜炒めと、イワシの三枚おろしから始めましょう。鮮度を自分の目で見極められる目利きになりましょう。自給率向上ということは、そういうことです。