ビデオメッセージ ▲ 「ビデオ & メッセージ」トップへ
新年のご挨拶にかえて
平成20年1月18日
このメッセージはテキストのみとなります。

激動の時を迎え、緊張して新年を迎えました」
――という決まり文句を、よく我々は言います。

しかし平成二十年、この年は、たぶん私の国会議員生活35年のうちでも一番激動する年になるのではないかという予感がしています。

政治に必要なものというと、先見性や情熱などがよく言われますが、それ以外に今国民は、政治のプロとしての“権威”のようなものを無言のうちに求めていると思います。「彼ならきっと持っているに違いない」というような“信頼感”と言ってもいいかもしれません。
昨年は、そういった政治の信頼性、権威がもっとも墜ちたときではないでしょうか。
我が党では、突然の総理の辞任があり、一種の投げ出しとも言えるような状況で総理が病院に駆け込んでしまうという前代未聞のことが起きました。野党はといえば、小沢党首が「民主党は次の選挙に勝てません」と言って、自民党との大連立に逃げ込もうとした。二大政党での活力のある政治とか、堂々とした政策論争という、これまで我々が大前提に掲げてきたことは、一体何だったのだろう?……と、政治家の私が虚しい思いを抱いたのですから、国民が暗澹たる気持ちになっているのもムリはありません。

もともと、この国がどこに行くか、その国のビジョンを確立するのはそう簡単なことではありません。ましてや今の時代、ますます明確な明日を示しづらい政治状況、社会状況になっているのは、皆さんすでにご存じのことです。
たとえば、今はインドや中国の勢いが強いように見えますが、それは日本がかつて1992年頃まで続けていた“対欧米・追いつけ追い越せ”をやっているに過ぎません。そのグローバライゼイションのプロセス、あるいは対欧米キャッチアッププロセスが終わったあとに、自分の道を模索するのがいかに難しいか、ということを知らずして、北京の街をビルだらけにし、上海の街をかなりの安普請とも思える高層ビルで埋め尽くしているのであって、あれはかつて私たち日本人が通ってきた道に過ぎない――とさえ言えるのです。

今こそ“その次のもの”を求めて政治がクリエイティブに動いていかなければならない、そんなときに、肝心の権威がないように見られ、なおかつビジョンを作る能力がないのだとするならば、まさしく「この国の不幸」と言わざるを得ません。
自民党にとっては辛いことでしたが、国民はその不安を参議院選挙の結果というかたちで現わし、国会でねじれを作り、ねじれを解消する能力が政治にあるかどうかチェックしようという強い意志を示しました。そう考えると「まだこの国は大丈夫」と言えるのかもしれません。
この状況を、我々政治家が前向きにとらえ、何らかのことをしなければならない。最も重要な年なんじゃないかという気がしています。
今年、私は意欲的に頑張ります。