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小沢さん辞任騒動に思う、協議の場の必要性
2007年11月6日
このメッセージはテキストのみとなります。

 民主党の小沢さんが代表辞任の意思を表明して、大変な騒ぎになっています。
今回の小沢さんの一連の行動を、ずいぶん唐突に感じられた方も多かったと思います。しかし、政治構造的に言えば、「大連立」への働きかけは、あって当然の動きといえます。
唐突だったのは、その土台となる自民党と民主党の関係性に問題があったからでしょう。一般的に、このような交渉をする際には、現場の人間同士の交流の土壌ができているか、あるいはトップ同士の信頼が厚く、ふたりの話し合いで決めることができるか、そのどちらかが必要でしょう。今回は、そのどちらもありませんでした。だから、私にもずいぶん唐突に映りました。

 小沢さんはおそらく、参議院の議席数を背景に「自民党案は何も通しません」という手法に限界を感じていたと思います。
 自民党は、いざとなれば衆議院で再可決するという方法があります。1カ月ガマンすれば予算案は通せる、2カ月ガマンできれば、一般の法案も通せるわけです。
 また理論上は、参議院は、総理や官房長官、大臣らを問責決議にかけ、不信任を表明することができます。衆議院の内閣不信任決議とは違って法的根拠がないため、政治責任を問われることはありませんが、「このような欠格者たちに参議院に来ていただかなくても結構、答弁を聞く必要はない」と言って拒絶する、何も通さない。これもひとつの政治手法です。
 しかし、そのようなけんか腰では、臨機応変な政治はできません。また、そのとき民衆はどちらの側に立つのか、海のものとも山のものとも分かりません。
 やはり、法案がきちんと通るような「話し合いの場」を設けなければ、どうにもならないのです。

 アメリカは過去26年間、大統領の所属する政党と上下両院の第一党をひとつの政党が占めたというのは8年間のみで、残りの期間は、大統領は民主党のクリントンで上下両院は共和党……というような状況です。そうやすやすとは大統領の言うとおりにはならない、数の論理を背景にした党利党略(パーティザン)に陥らないように工夫してきたのです。ですから世論の形成にも、パーティザンに陥らないような視点がしみ込んでいます。
 翻って、今の日本は、有権者のなかに「自民党単独政治が長過ぎる」という思いが強くなっていて、民主党がケンカで勝つことを歓迎し、2大政党政治というものを面白がっているようなところがありました。しかし、そのままでは政治が立ち行かない状態になっています。
 たとえば、国会には日銀総裁や国家公安委員長などの任命権があります。それは、衆参それぞれの同意がなければ任命できないわけですが、この人事ひとつとっても、民主党は「政府が勝手に決めて、国会での発表以前に新聞に候補者の名前が載っているような候補者はのめない」と言って、日銀総裁の福井さんの後任人事が宙に浮くというような事態が起きています。日銀総裁ともなれば、経済界のA氏か、経済学者のB氏か、官僚出身のC氏か……と、そうそうたる人々の名が並ぶわけですが、新聞記事になった人はダメとなったら、どうしてもB級人事にならざるを得ないわけです。
 このような党利党略にならないような政治をするためには、やはり協議機関をつくるしかありません。それが今回は、一気に「連立」となったものだから、民主党の議員たちも肝を冷やしたのでしょう。

 晩秋の大騒ぎは2日間で終わりましたが、福田×小沢の会談が投げた問題の根本は、そのまま残っています。構造的にパーティザンに陥らないようにするには、どうしたらよいのか? 震度7の激震は去ったものの、震度3,4の余震はまだまだ続きそうです。