ご無沙汰してます。今、ソウルに来てます。韓国のソウルですが、昼ご飯どき、これはまあサラリーマンが昼ご飯を食べるちょっと、でも高級なところ、まあそうですね、日本蕎麦屋さんのちょっといいところと、そんな感じのところです。後ろには韓国のOLさん達が、銀行のOLさんなんですかね、制服を着ながら昼ご飯を食べているところです。
過去6日、6泊7日間、ソウル・中国そして中国の北方の朝鮮自治区、そしてまたソウルと、この地域を自民党のアジア外交・安保ビジョン研究会の一団で参りました。私が会長で、山崎拓さんが最高顧問というかたちで、9人程で来ましたけれども、今、この北朝鮮をどう考えるか、そして日本と中国の関係、日本と韓国の関係、何とかいい方向に向けたいという、今非常に微妙な転換点なものですから、いろんな中国の要人、それから韓国の要人、そういう人たちと話しながら、現地の勘をつかんでみたいと、そんな旅でした。
そんな中でも、ひとつおもしろいのは中国の吉林省の延辺朝鮮族自治区というところに行ったのですが、北朝鮮の国境越えてすぐのところです。まあ普段、日本の報道では脱北者がいっぱいいて、ほったて小屋の中で暗く生活しているという報道が多いんですが、全く違いまして、非常に経済発展しています。中央もものすごく力を入れて経済発展しているものですから、ビルディングは建つは、工場は繁盛しているは、日本からの企業が来て松の実を一生懸命殻取って、ひとつのおつまみ用にするような製造もやっていたり、もちろんそこは日本人のマネージャーがいて全部仕切ってるんですが、「日本に送るんだから衛生管理が大変だ」というんで、もう本当に工場の中に入るだけでもかなりの注意をするような、そんな工場でした。「日本人は清潔好きはいいんだけど、ここまでバイキンが入らないようにしちゃったら、逆に胃の腑が弱くなっちゃうんじゃないですか」なぞと現地の人たちが言ってました。
そこで感じることはですね、中国はそこに、「我々中国と仲良くなったら朝鮮族の人もこんなにいい生活になるんですよ」という“ショーウィンドウ”を作っているんですね。一方、昨日・今日と韓国に来ているんですが、韓国は38度線の北に、すぐのところにケソンという一大工業地帯を作って、そして一生懸命工場を進出したり、毎日何十台の自動車が38度線を越えてそのケソン地域に行って、韓国のお金で、韓国の技術で、韓国の経由の仕方で国を発展させているという現状で、まあ言うなれば中国と韓国も共に争って北朝鮮の“面倒見合戦”を始めている。どっちがこの国の影響力を強めるかの勝負をしている、という感じです。で、みんなそれぞれ中国も韓国も言うんですが、「あんまり拉致問題に関わるのもいいけれど、やはり北朝鮮に核を無くさせ、そしてまともな国にさせるっていう仕事と、拉致の話はちょっと別に分けて考えないとダメなんじゃないんですか」、「我々の国にも拉致問題があって、我々も怒っている」と韓国の人は言います。そして徹底的にそこは究明して交渉はするんだけれども、しかしあの北朝鮮をまともな国にするという作業、非核──核をなくすような作業──それはそれで別にやらなきゃいけませんという、かなりしたたかな道を歩んでおって、「日本はちょっと一つのことにとらわれすぎてはいませんかね」。そんなことをあちこちで言われたのが今度の旅でした。
まあ、現地を見て、そしてそういう政策に直接タッチしている、例えば六カ国協議の議長の武大偉(ブダイイ)外務事務次官とか、こちらの外務大臣とか、ここの韓国のですね。それから今度、韓国の大統領選挙に出る元ソウル市長のイ・ミョンバクという人、それから女性候補で朴正煕(ボクセイキ)大統領のお嬢さんのボクネという54〜5歳の人、それからチョンドンミョンという旧民主党系の人。いろんな人に会って、いろんな本音を聞いたりして、おもしろい旅でした。自分のこれからのアジア政策についての感覚を研ぎ澄ますためにも、なかなか意義のあった旅だったなぁと思って、今日全部終わったので、今ここで“冷麺”というのをゆっくり食べようと思っています。