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日本は北朝鮮に振り上げたこぶしをどう下ろす?
2007年1月22日
このメッセージはテキストのみとなります。

年末のビデオメッセージでも少しお話ししましたが、昨年末に行った中国での4日間は、非常に面白いものでした。
北京大学でおこなった講演が訪中の主な目的でしたが、ちょうどそのタイミングで北朝鮮の6者会談が開催されていたので、いろんな面白い動きを肌で感じることができました。
6者会議の議長をしていたのは、中国の武大偉外務次官です。彼は日本に3度赴任したことがあり、私とは古くからのつき合いがありました。それで、6者会談初日の18日であるにもかかわらず、その会議を抜けて私と1時間ばかり会ってくれたのです。
それは彼の友情でもあり、また途中で抜けられる状況だったということもできるでしょう。約束を取りつけたのは出発の4、5日前、そのときにはすでに会議の日程も決まっていたので、最初から「あれ?」とは思っていたのです。
それは、どういうことか。6者会談といっても6者で行うことはほとんどなく、つまりは「貸し席業」をやるのだろうなという予感はありました。
会議の開場となった釣魚台(ちょうぎょだい)は、いわゆる迎賓館のような性格の施設で、膨大な庭園の中にいろんな建物があります。そのそれぞれの建物の中で、たとえば日中とか、米朝とか、対談を行います。アメリカは少し前まで「北朝鮮とは直接話しはしない」と拒否していましたが、去年の中間選挙で共和党が大敗してからは素早く方針変更して、現在は明らかに北朝鮮と直接対話をしています。
釣魚台における二国間会談以外にも、アメリカと北朝鮮は、お互いに北京にある相手側大使館を訪問しあって協議しています。担当者らが出入りする写真は日本の新聞にも掲載されましたが、わざと撮らせているのでしょう。
つまり、いまだに北朝鮮と対話をしないままでけんか腰なのは、日本だけ。北京でも日本だけが北朝鮮と一切話ができていません。なんだか日本だけが蚊帳の外みたいです。ところが、安倍さんというのは北朝鮮による拉致問題に強硬な態度を取って人気が出た政治家だし、それが大きな推進力となって総理になった人だから、振り上げたこぶしをなかなか下げられない。一方、他の国々は、日本の拉致問題に理解を示すといいながらも、実際上は北朝鮮とどんどん対話をしているのです。
これから安倍政権はそのギャップを埋めるのに苦労することになるのではと思います。