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アメリカ中間選挙の結果を受けて
2006年11月17日掲載
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この間、アメリカの中間選挙が終わりました。結果として民主党が、上院も、そして下院も多数を取ることになりました。ブッシュさんがこれまで推し進めて来たネオコンの政策、特にイラクに対する先制攻撃、そしてイラクの現状をアメリカ国民は「NO」と言って批判をした、その意思表示があのような結果になったものだと思っています。

今、イラクでは毎日数十人の人が死んでいます。シーア派とスンニ派の内部闘争、宗教に基づく、言うなれば国内戦争、内戦の様相を呈しています。今でも思い出すのですが、ブッシュさんがこの戦争に踏み切る時に、ブッシュさんの政権の中で当時国務長官をやったコリン・パウエルさん、もともと湾岸戦争の時の最高軍事司令官であった人ですが、この人がブッシュさんに「戦いを本当に始めるのですか。始めるときには終わり方を考えてから着手しなければなりませんよ」と強いアドバイスをした訳ですけれども、そのコリン・パウエルさんもたぶん、あまりのことにブッシュ政権を離れました。そして2年ほどになるんじゃないでしょうか。その、アメリカのラムズフェルドさん中心のイラク政策はますます泥沼に入っていって、そして最後には国民から「NO」を言われました。

ブッシュさんの戦争、ブッシュさんのイラク戦争、これを一番強く支持したのは開戦当時の会談をしたスペインの首相でした──その後、失脚しました。ブレア・イギリス首相でした──近々、引退することを言明せざるを得なくなりました。そしてブッシュさんもいわゆる、“死に体”大統領になりました。

日本はこの判断ミスについて、確かにアメリカに従わざるを得なかったじゃないかという議論はあるんだと思いますけれども、しかし単にどんなに間違えた政策でもアメリカに従わざるを得ないということであれば、日本人としてのプライドというものをやはりかなぐり捨てたことになるのではないでしょうか。

アメリカというのは重要な国です。日本にとって重要な国です。私もアメリカ、好きです。人様に負けずにアメリカに知人も多いし、アメリカの生活はやったことがあるし、最近もコロンビア大学で年にいっぺん授業をしに行きます。ニューヨークは素晴らしいです。魅力があります。しかし、アメリカが好きでアメリカと協力するということと、現在のブッシュ政権の政策を全部支持するということは、違います。この間合いの取り方というのが、日本人の非常に重要な判断のポイントじゃないかと思います。過去5年、アメリカとさえ仲良くしていれば日本の外交は全て良しということを岡崎久彦さんは言いました。小泉さんも言いました。間違いだったと思います。

これから世界の国際政治は中間選挙を機会に大きく変わっていきます。北朝鮮についてもアメリカは段々話し合わざるを得ないところに行くと思います。中間選挙の結果による国際政治と、そしていろんな意味でそれぞれの国の内政に与える影響は非常に大きいということが、これから段々わかってくるんじゃないかと思います。

※ ビデオとテキストでは、表現に異なる部分がありますが、 ご覧のテキストをもって当人の最終見解とさせて頂きます。