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2005年を振り返って
2005年12月27日収録
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今年は我々日本人の常識では考えられないような事件がいろんな所で起きた一年だったと思います。例えば京都の学習塾で塾の先生、同志社大学の三年生が小学校六年生の女の子を刺し殺したという痛ましい事件はどう解釈すべきなんでしょうか。
私はあの事件はある意味では男女の恋愛感情のもつれというような側面も見えたのではないかと思います。少なくともあの23歳の大学生は年の割には恋愛感情や何かの発達の遅れたようなところがあって、そして小学校六年生の女の子は年の割には非常に大人びた感じの子で、教師の方がちょっと勘違いした恋愛感情をあの女の子に持ったという解釈は成り立たないでしょうか。ある意味では男女の恋愛のもつれというような事件だったと思います。この際、一番問題なのは23歳でどうしてそんなに幼いのか、という家庭教育と学校教育の問題だと思います。
さらに心を暗くしたのは姉歯耐震データ偽造事件です。第二の第三の姉歯設計士がいるというようなことをよく聞かれますが、新年にこの事件が拡大していかないことをつくづく願いたいものです。
結局誰が悪かったのか、それぞれ責任があると思いますけれども、私はこの検査の仕組みを十分に作っていなかった国にかなりの責任があると思っています。もともと偽造するかもしれない、また、十分な設計をしていないかもしれないから検査するわけです。公の検査です。それが民間の検査機関に、まあ下請けという形になっていたとしても、その下請けに出して検査させる、その結果、うまく検査が動いていくという所まで監督しなければならないのが国の担当局の任務です。ただその際に、技術者は命に関わるような所で手抜きはしないものだという大変な性善説というものが根っこにあって、そしてまた我々国民の間にもあって、だからこそ命に関わるようなことも偽造があったことに、我々はショックを受けているんだと思います。
3800年ほど前、イランにあった古代バビロニア王朝の中のハムラビ王の法典は世界で一番古い成文法だと言われていますが、ある新聞に出ていました。そのハムラビ法典の一節に、「もし家を作る者が作り方を間違え、住んでる人を死に至らしめるようなことがあったら、家を作った設計士・大工は死刑に処す」。きわめて地震の多かった古代のイランで、今でも同じな訳ですが、こういう法律が単純に作られているということは驚きですし、また印象に深いものがあります。やはり命に関わるようなことに手抜きをしてはいけない、この人間社会の掟をお金のために破る人間が現れるという性悪説、そういう社会になりつつあるということの方が一番重要なんではないでしょうか。
しっかりとした大人の大学生はしっかりとした大人に恋をして欲しい。小さな子は守って欲しい。家を作る人間は、そこに住む人の、未来永劫とは言いませんが、十年、二十年、五十年の命を守るという気持ちで家を作る。その原点が忘れられたというような事件が今年相次ぎました。政治問題というよりも、やはり社会の問題ではないでしょうか。