随想風政策論
医療と介護
徹底した医療論議を
年金に比べ、医療は政策論がやりやすい。
年金と違い、保険料を払わないと保険証が来ない。全額自己負担になる。困る。みんな医療保険のありがたさは認識している。
また、毎年一年ごとの収支決算が出る(年金はそこがわかりにくい)。赤字が発生すると、厚労省が「医療制度改革」という。日本医師会が「5つの反対、5つの提案」を掲げる。連合・経営者など患者側が「負担増、反対!」と声を上げる。各論だけ見ていくと、それぞれ正論のようだし、逃げ道は財政による負担増だが、31兆円の総医療費である。42兆円の年間税収のうち、医療保険に8.1兆円を投入している(介護保険に2兆円)。ほぼ限界だ。三者間の徹底した論議が必要とされる。

高齢者医療制度の創設に向けて
医療改革論議の中で、新しい高齢者医療制度の創設は最大の焦点だろう。
新しい制度をつくる上での論点は「給付対象を何歳からにするのか」「高齢者の自己負担を何割にするのか」「公費負担を何割にするのか」である。ここは、国と地方のせめぎ合いもあるが、単たる押し付け合いにならぬよう冷静に議論していかねばならない。

介護は、コミュニティーも巻き込んで

そして、介護。
現時点での論点は、「介護施設でのホテルコストの徴収」と「介護予防」だろう。
そもそもホテルコストの利用者負担は、在宅で介護していれば当然かかるはずの居住費用や食費を保険で負担するのは、在宅と比べたときに公平性を欠くということで導入が決まったものだ(居住費用は、在宅の現状よりむしろ高い設定になっているのではないかという批判もあるが)。
「在宅か施設か」というのは、介護を考える上でいつもポイントになるのだが、一歩引いて、「コミュニティーの持つ介護力」も視野に入れていかなくてはならない。
地域のボランティアと非常にうまく連携を取って、地域介護の拠点になっている施設もある。そういうところは在宅の老人にも弁当宅配を行ったりして、在宅介護と施設介護が渾然一体となっている印象を受ける。

「「介護予防」については、厚労省が、事業者に払う報酬を成果に応じて上乗せする方針を固めた。介護予防の成功報酬方式だ。これは正しい方向だと思う。正しい方向だからこそ、誰がどのように公平に評価するのか、議論を尽くして納得のいくものにしたい。