随想風政策論
地方自治に求められるもの
地方分権の核心とは
 いま政府は「三位一体」や「市町村合併」など、将来の国のかたちに重大な影響を及ぼす地方分権政策を推進している。その方向は正しいと思う。
しかし、少し立ち止まって考えてみると、その理念や今後の道程は必ずしもはっきりしない。

 地方分権の核心は、そこに住む人々が顔の見える首長中心に、参加意識を持って決める「住民自治」にある。そして、それをのびのび思う存分発展しうる場は基礎自治体たる「市町村」のはずなのだ。しかし、三位一体改革は都道府県知事の権限を強くする方向に滔々と流れている。

 知事は大統領制だ。その権限の強さに対して県議会は強いチェック機能を持ち得ない制度になってしまっている。
さらに重要なことは、中央政界ではマスコミの監視が厳しいのに対し、県関係のマスコミは往々にして県当局に同調的で、是々非々の立場から鋭い緊張関係に立つことはまれなのだ。その結果、過去に多くの「地方天皇」が生まれた。知事の多選禁止論が生まれる所以でもある。

基礎自治体たる「市町村」からの視点を
 また市町村合併が今後も進められるとすれば、その数が減少し、府県レベルの行政が不要になる可能性がある。少なくとも「中二階」化して行く。
しかし「三位一体」改革は、逆に、都道府県の権限と予算を拡大しようとしている。これは「地方六団体」の名のもと、知事会の主張にだけ耳を傾け、市長会・町村長会等市町村レベルからの意見聴取を省略した当然の帰結といえる。
豊かな自然に囲まれ、温かい人間関係で結ばれた地域社会の再構築は、いまわが党の政策の中心課題の一つだ。その際、どのような地方自治のかたちが、やせ細った地域社会をふたたび豊かなものにするか ―― 国・市町村の二層制か、または、その間に都道府県ないし、道州を入れるのが効率がよいか。真剣に考える必要があるが、いずれにしても、基礎自治体たる市町村を育てる視点からの判断が最も肝要だと考える。