一問一答

  1. 今回の選挙を見ていて、小沢さんの影響力に翳りは見えましたか?
  2. 谷亮子さんが当選されたことをどう思いますか?
  3. 今回の選挙結果を見て、国民の投票行動をどう評価しますか?
  4. みんなの党の躍進についてどう思いましたか?
  5. 首相辞任不要73%という朝日新聞の調査について、どう思いましたか?
  6. 選挙中は小泉進次郎さんが奮闘してましたが。
  7. トヨタのリコール問題について、どう見ていますか?
  8. 政治家の国会でのマナーが話題です。加藤先生も、小沢チルドレンのマナーについて発言されていますが、今回の予算委員会はいかがでしたか?
  9. 日本の今の防衛政策についてどう思われますか?
  10. 渡辺喜美氏が、民主党提出の衆院解散を求める決議の衆院本会議に、賛成しました。このことについて、どうお考えですか?
  11. 小室哲哉が詐欺事件で逮捕されました。著作権を二重譲渡していたおかげで、何も悪いことをしていない歌手の歌までが、配信をストップされています。私もカラオケで十八番が歌えなくなり、困っています。先生はお困りではありませんか?
  12. 世界を襲ったサブプライム・ショックの中で、日本は比較的安定した経済を保っているといわれています。実は日本が世界から乗り遅れていたのでしょうか?
  13. 麻生総理が3年後に消費税をアップすると言ったとたん、財政再建をしたい財務省と、社会保障を健全化したい厚生労働省が早くもにらみあっていると聞きました。加藤先生は、どちらの味方ですか?
  14. 最近、公明党に手を焼いているという印象があります。民主党のバラマキ批判に対する自民党幹部の答弁も、非常に苦しいものに映りますが?
  15. 自民党の町村派が、増税なしで最大50兆円の財源を確保するという政策提言をしたようですが、このことについての加藤先生のご意見は?
  16. サミットで、食糧備蓄制度を創設すると表明がありましたが、これで食糧価格がどこまで安定するのでしょうか?
  17. 民主党の山根隆治議員が国会で、人類の防衛上の問題としてUFOを取り上げていましたが、加藤先生はどう思われますか?
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ご質問今回の選挙を見ていて、小沢さんの影響力に翳りは見えましたか?
おこたえ

いえいえ、まだまだ分かりません。確かに選挙中、小沢氏の動静はあまり目立ちませんでした。「彼もとうとう静かになった」と感じさせました。でも、党の役職がついてない政治家は、選挙期間中には報道されないものです。なぜなら、不平等になるからです。
もうひとつ、今回の選挙で小沢氏が主導して擁立した候補者たちが勝てなかった。それは、小沢氏が幹事長のポジションを失ったため、2人区で小沢系を優位に扱うことができなくなったというのが最大の理由でしょう。幹事長権限、特に党資金の配分権がなくなれば、大きな影響が出ても当然です。
たとえば、薬害肝炎九州訴訟原告団代表を務め、前回の衆院選に小沢ガールズのひとりとして出馬、見事当選を果たした福田えりこ氏のところには、選挙前から1年ほど、小沢氏の秘書が常駐していたと報道されました。活動力のある40歳前後の有能な秘書を1年間置いておけば、給料、経費、活動費などで2000万円近くはかかるでしょう。それをあちこちに配置するとなれば、相当な資金力と党内の権力が必要です。今はそれができなくなっているんですね。しかし私の見たところでは、小沢氏は決して死んではいません。今、彼は千の風になって、大空を駆け巡っているようですが(笑)、さて、秋には強い光になって地上に降り注ぐかどうか、これはまだまだ分からないところです。

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ご質問谷亮子さんが当選されたことをどう思いますか?
おこたえ

谷氏への有権者の反発は並大抵ではないと感じています。タクシーの運転手、主婦、サラリーマン、スナックのママさん、農家のおやじさん、選挙中に私が会った有権者のみなさんは、あの「オリンピックを目指す」の一言で、批判に転じていました。谷氏が山形に来たときも、決して人は集まりませんでした。
それでも今回、比例ではテレビで名のある人が軒並み当選しています。逆に言えば、団体組織票はどうにも力がない。たとえば医師会出身の西島英利氏は、今回は残念至極なことになりました。医師会に内部分裂があった影響もあるかとも思いますが、分裂以前だって開業医×2の票は集まっていません。つまり奥さんが夫である医師に同調して投票してくれていない。あるいは看護婦長さんも先生の言うことを聞いてくれてないということで、団体がバックにあっても大変苦労を強いられる昨今です。
それに比べ、テレビに出て名前が売れていると受かってしまうというのは、いかがなものかと思います。

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ご質問今回の選挙結果を見て、国民の投票行動をどう評価しますか?
おこたえ

有権者はまじめだと思いましたね。みなさん迷っているんですよ。無理もない、メディアが迷っているんですから。何が正義で、何が対立か。自民と民主、どちらが日本の政治にとって頼りになる党か……。
今までは、巨大自民党があった。その大前提のもとで、頼れるのは自民党、いい人は民主党。力のあるのは自民党、知性があるのは民主党。お年寄りは自民党、若者は民主党と、なんとなくイメージが固定されてそれぞれ自分の好みに応じて選んでいたわけですが、もはやそれをやってちゃ日本がつぶれるとみんな思い始めたのでしょう。自民党は頼りないし、民主党はかならずしも若々しくない。小沢さんは古い。財政政策なんか見ていると、民主党もかならずしも知性があるように見えないなと。
メディアの報道がばらばらになってきたのと同様に、政治家もこの国のあり方について迷っているんです。そして、これから1年くらいはクロスボーティング的な模索をしながら、だんだん新しい日本の政治の形を作っていくのだと思います。
そのような政治状況の最先端の流れを、私の感想を交えて、今後このHPでお伝えしていきたいと思っています。

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ご質問みんなの党の躍進についてどう思いましたか?
おこたえ

巧みに民意を吸収したのは、大変感性の鋭い動きだったと思います。見事だなと思って見ていました。渡辺喜美代表の言う「アジェンダ政党」は、英語で分かりにくいですが、簡単に言うとワンテーマで勝負する政党。具体的には「公務員批判」ということでしょう。言うなれば専門店、ブティックです。しかしだんだん大きくなるに従って、品揃えをしていかなければならない。かつてダイエーが、薬屋からスーパーへと進出して経営が難しくなっていったように、アジェンダ政党から国民政党へと移ろうとするときには、大変だろうなと思います。

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ご質問首相辞任不要73%という朝日新聞の調査について、どう思いましたか?
おこたえ

国民のみなさんの「民主党にもうちょっと期待したい」という気持ちの表れでしょう。同時に、菅さんでないとすれば、岡田さんでもないし、ましてや小沢さんでもない、だったらとりあえず菅さんでいったら? ということなのだろうと思いますが、これからどう変わるかは分かりません。
それより気になったのは、同じ記事に載せられていた別の数字です。「自民党に政権を任せてみたい」が17%で、そうではないに64%という数字には、思わず唸ってしまいました。
この数字に、国民のどんな思いが表れているのか。昔に戻りたくないとか、若いほうがいいとか、いろんな意見があるとは思いますが、やはり自民党は何を目指し、どういう政治をするつもりかという方針が明確に見えないからだと思います。現在の最大の課題です。
よく、自民党は若返るべきだと言われますが、先の総選挙で数多くの若手が落選し、中堅・若手が少なくなりました。しかし、少し時間をください。数ヵ月以内に全国各地に次回衆院選に向けた若手新人候補が簇生(そうせい)します。自民党は選挙区が空いているので、必然的に若くなります。逆に民主党は歳をとります。席は現職で満杯だからです。
選挙は見ている分には最高のドラマです。しかも、メディアからちょっと距離を置いて冷静に見ているといろんな新発見があり、それが半年、一年経つと読みどおりになってくる。ドラマの先を読めるから、政治は面白い。

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ご質問選挙中は小泉新次郎さんが奮闘してましたが。
おこたえ

彼はなかなか演説もうまいし、ルックスもいい。党のために「私が行って人が集まるなら行ってきます!」と、身軽にどこへでも行く。しかし、それ以上に感じるのは、彼が実によくものごとを考えている人間だということです。彼を観ていると、しばしばじーっと考えている。
そんな彼だからこそ「今、自民党がいちばんやらなければいけないことは、野党を極めることではないでしょうか」という言葉が出てきたり、「菅さんが“最小不幸社会”ということを言ってくれた、あれは我々にとって最大のプレゼントですよ」とか、すぐにそういったことを気づく。今後期待の若手です。

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ご質問トヨタのリコール問題について、どう見ていますか?
おこたえ

政治家の動きの裏に選挙区事情あり、と見ました
トヨタは、今回の問題では真面目に対応しましたし、ワシントンポストやニューヨークタイムスでも、それなりの評価はされていると思います。特に、ケンタッキー州の住民がトヨタをサポートしたことは、興味深く見ていました。
豊田章男氏を召喚することに躍起になったダレル・イッサ議員は、カリフォルニアはGMの地元の議員です。私は前々から、「実力者とか大物の政治行動に気になる動きや、どうにも解明不能なことが起きたときには選挙区を見よ、かならずそこに答えがある」と後輩議員に言っています。この原理はアメリカも同じです。発言や行動の背景には、選挙区事情があります。選挙区の有権者の気持ち、経済の動き、産業の衰退などがあります。
豊田章男氏は非常に生真面目な人です。そのことが心配されもしましたが、やはりその生真面目さが、アメリカでも評価を受けたのではないでしょうか。なんとか乗り越えつつあるような気がします。

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ご質問政治家の国会でのマナーが話題です。加藤先生も、小沢チルドレンのマナーについて発言されていますが、今回の予算委員会はいかがでしたか?
おこたえ

政治家の短気は危険

予算委員会の論争の中でちょっと驚いたのが、民主党前原大臣の短気でした。
論争しているうちに、感情が昂ぶると自分を抑えられない傾向があるようです。今回は、論争相手の町村自民党理事が答弁を求めていないのに、自席から立って途中まで町村氏に歩み寄り、ベルトに手をかけてにらみつけていました。まるで「こら、表に出ろ」と言わんばかりのケンカごしです。あれを見て、日本に核がなくて良かったと思いました。彼が総理大臣になる可能性はあるのですから。

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ご質問日本の今の防衛政策についてどう思われますか?
おこたえ

アメリカを客観的に見る眼と、核を持たない国としての発言力を持つべき

 ちょうどこの問題について、5月5日の毎日新聞のインタビューに、以下のようにお話いたしました。毎日新聞をお読みではない方もいらっしゃると思いますので、そのときの発言を基本にお応えしたいと思います。
 日本の防衛政策には、二つの問題があります。
 一つは独立国でありながら、外国軍が常駐していることです。いつかはその存在を解消しなければなりません。そのためには、朝鮮半島の緊張を緩和しないといけないということ。
 二つめに、日本はアメリカの核の傘の下にいるということ。これを本気で議論すると「一切の核を拒否する」という世論とは矛盾します。唯一の被爆国でありながら核の傘の下にいないと安心できないという矛盾を、日本人は抱えている。しかし国際政治で核が大きな働きをしていることは客観的な事実です。私は核の傘は必要だと思っています。
 核兵器についての日米の話し合いは、実はあまり行われていません。核兵器を持っていない日本は、核大国の米国と核について話すことに多少の遠慮を感じていますし、一方の米国は「核兵器を持つ緊張感と責任感を共有できていない国とは話してもムダ」と思うところがあります。

 しかし、核のない社会を作るという意味では、日本にもそれなりの発言力があります。今まではもっぱら「唯一の被爆国」という立場で主張してきましたが、一歩進めて「核兵器を持とうと思えばいつでも持てる能力を持ちながら、持たないできた国」という意識での発言力を生かすべきでしょう。
 日米同盟では、日本が海外で軍事展開をしないと決めていることを、米国に対してもっと肯定的に言えなければダメでしょう。先のイラク戦争は、米大統領でさえ失敗だったと言っているのに、日本はいまだに「米国を信じたことは間違いではなかった」という立場を崩しません。この戯画的な状況を放っておいてはいけないのです。

 日本の外交の立ち位置について言えば、日米中の関係において「正三角形の状況」を作るべきだと考えます。日米と日中が単純な等距離という意味ではなく、地理的、文化的には日中が近い、政治的価値観は日米が近い、あるいは経済的な関係は最近ちょっと混沌としていますが、こうした関係を総合的、重層的に考えて正三角形であるべきです。
 米国も世界戦略を間違えます。ウォール街も間違えました。だから、日本は自分の頭で世界戦略と国際金融を考えるべきです。
 米国は日本にとって最も重要な国に違いありません。しかし、我々は客観的に米国を見る目を持つことが重要です。国と国とはそれぞれ立場が違うもの。距離感や心の中の客観性をきちんと持たないと、日本は米国からも意見を聞かれない国になってしまうでしょう。

*本文は毎日新聞の5月5日朝刊に掲載された記事の取材を受けた際にお話しした内容を元に構成しています。

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ご質問渡辺喜美氏が、民主党提出の衆院解散を求める決議の衆院本会議に、賛成しました。このことについて、どうお考えですか?
おこたえ

今、麻生政権の支持率低下にともない、出口のない閉塞感が自民党を覆っています。心情的には渡辺さんの造反はよく分かるのですが、多くの議員は、「彼は圧倒的に選挙に強く、民主党の候補者もいない。恵まれているから、ああいう行動がとれるんだ。自分たちにはムリだ」という諦めにも似た羨望のようなものが漂っているのを感じます。だから、彼の動きはなかなか広がっていかないでしょう。

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ご質問小室哲哉が詐欺事件で逮捕されました。著作権を二重譲渡していたおかげで、何も悪いことをしていない歌手の歌までが、配信をストップされています。私もカラオケで十八番が歌えなくなり、困っています。先生はお困りではありませんか?
おこたえ

私はもともとアップビートの歌は上手に歌えませんから、特に困ってはおりません。でも、私は安室奈美恵のサポーターでして(笑)、彼女は本当に歌が上手いし、離婚やお母さんのご不幸などを乗り越えて、今またトップに返り咲いてがんばっています。ですから「安室ちゃん、がんばって、くじけるな!」とエールを送りたいと思います。

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ご質問世界を襲ったサブプライム・ショックの中で、日本は比較的安定した経済を保っているといわれています。実は日本が世界から乗り遅れていたのでしょうか?
おこたえ

日本には、「タヌキは木の葉を小判に換えて人間を化かす」というお話しがあります。
アメリカにも過去20年くらい、どうやらこのタヌキが住みついていたようです。
ヨーロッパ各国や中国は、アメリカのマネーゲームに乗っかったところがあります。日本はというと、英語が得意じゃなかったおかげで、先陣をきって世界に出ていって危ない橋を渡ったり、こざかしいことをしそびれたりしたので、日本の金融システムは比較的汚染されていなかったようですね。
もちろん、先陣をきりそびれたのは、英語が苦手という理由だけではありません。日本人はタヌキ寓話の教えがしみついていますから、そういうことに慎重な国民性があるように思います。レバレッジという危険なお金の運用法がウォール街から流れてきたとき、「あまり危ない話には乗らない方がいい。単に分からないからというだけではなく、ちょっと危険な香りがする」という直感が働いたのだと思います。
 
しかし、日本の銀行が比較的安定しているのは、賢明だったからというよりも、過去10年にわたるゼロ金利政策のおかげのほうが大きい。個人は貯金してもほとんど金利ゼロ、それなのに貸し出すときに銀行は3〜4%の利子を取るわけですから、銀行はそれにずいぶん助けられているのです。
このことは前回も書きましたが、本来、個人預金にも2〜3%の金利がつくというのが世界の常識で、そうであればおよそ1500兆円の家計部門の貯蓄に対して、少なくとも30兆円が国民のふところに入る計算です。その分がまるまる銀行と、「国債」という膨大な借金をしている財務省を助けるかたちになった。銀行は国民の犠牲において健全になっているので、そこを金融界の人はよくよく考えるべきでしょう。
ですから三菱UFJが、リーマン崩壊後、ここがチャンスとばかりにモルガン・スタンレーの株を20%買うといって飛び出して行きましたが、判断を誤ってかなり高い買いものになり、なおかつ自社の保有株が下がることによって自己資本比率が低下する危機を感じ、逆に8千億を公募するという事態になりました。何をやっているのでしょうか。
あくまでも一般貯蓄者の無利子の上に成り立っている金融界だ、ということを認識してほしいと、つくづくそう思います。

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ご質問麻生総理が3年後に消費税をアップすると言ったとたん、財政再建をしたい財務省と、社会保障を健全化したい厚生労働省が早くもにらみあっていると聞きました。加藤先生は、どちらの味方ですか?
おこたえ

財務省と厚生労働省が大論争をするのは、健全でいいことです。しかし、それをまとめるのは大変なことです。
まず、この件について私は、総理大臣があまり自分ひとりで突撃しないほうがいいと思っていました。そうでないと、大きい問題から瑣末な問題まで、すべて総理の判断にかかってきてしまい、もみくちゃになってしまうからです。
たとえば緊急経済対策として、総理が「地方に1兆円のお金をまわしたい」と言ってから、「それはもともと地方にまわすことが決まっていた7千億以外に1兆円か、3千億を上乗せするということか」で混乱しました。あるいは「2兆円の減税ないし交付金をお金持ちにも与えるのですか?」というので、総理が右往左往しているという批判を受けています。所得制限をかけるか否かというのは、かなり技術的で行政手続き的な検討事項ですから、やはり厚労大臣と財務大臣がディテールを考え、その調整を官房長官が行うという仕組みを尊重しないと、このようなことになります。1人で何もかもやりきれるという過信は危険です。「一枚看板内閣」の弊害がもう出始めていると思いますね。
 
さて、消費税を上げた分を何に充てるかですが、これは社会福祉への財源として使わせていただきますということでないと、なかなか国民のみなさんを説得できないと思います。その結果として、現在は一般財源から厚生労働省に向かっているお金を少し減らすことができるということになれば、財務省は楽になります。結果としては同じことでしょう。

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ご質問最近、公明党に手を焼いているという印象があります。民主党のバラマキ批判に対する自民党幹部の答弁も、非常に苦しいものに映りますが?
おこたえ

先日選挙区に帰ってみたら、大変多くの人から指摘を受けたのが、「2兆円の減税をするというけれど、お金がないから近い将来に消費税を上げるのでしょう? だったら同じじゃないですか。そんなに余裕がないならば、バラまきはやめなさいよ」という声。このご意見が圧倒的です。とても理性的で冷静なご意見だと思います。
今度の2兆円減税の話は、公明党の強い主張からスタートしましたが、今年の8月9月の公明党は、政策的主張にしても、自民党内閣の交代、総選挙の時期をめぐる攻防にしても、ちょっとやり過ぎという気がしました。
これは現在の公明党執行部の性格なのではないでしょうか。神崎さんや冬柴さんの頃は、同じ主張をするにしても自民党と調整を取りながら、結果的には大きなものを取っていくというように、政治手腕が練れていました。
今の公明党は、若干急ぎ過ぎ、焦り過ぎで、自民党内の無言の反発をかなり広範囲に引き起こしているだけでなく、国民の間での評価も決して高くないと思います。

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ご質問自民党の町村派が、増税なしで最大50兆円の財源を確保するという政策提言をしたようですが、このことについての加藤先生のご意見は?
おこたえ

埋蔵金がどこかにあるかのような表現は、かならずしも賛成ではありません。
たとえば、障害者自立支援法などは、500億円規模の倹約のために施行され、大変な努力を強いられているわけです。ですから、このような発言は、まじめな削減努力に水を差すような気がします。
民主党の15兆の倹約ができるという表現も、実に不真面目なものでした。あれは民主党のN議員が、公的資金が流れている独立行政法人を国会図書館に調べさせたところ、国立病院や東京大学などいろいろと出てきて、その合計額が15兆にもなる、というデータが出てきた。そのリストに挙げられた法人に、ひとりでもかつての官僚OBが天下っていたら「それはカットできる無駄遣いだ」というような主張であって、ものすごい論理の飛躍があります。東京大学には、年間3000億円ほどの公的資金が使われているでしょう。文部省OBがいるというだけで、この3000億を差し止めたら、東大はどんなことになるか考えてみてください。
町村派は自民党の中でもいちばん中核の派閥です。そこで「50兆が数年間で倹約できる」などということを、まさか本気で言っているのではないだろうと思っています。

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ご質問サミットで、食糧備蓄制度を創設すると表明がありましたが、これで食糧価格がどこまで安定するのでしょうか?
おこたえ

今回のサミットを受けて、食料を原料にして燃料を作る動きに少しはブレーキがかかるでしょう。しかし肝心のアメリカは、バイオエタノールの製造によって中西部を中心に農民がかなり利益を得ています。おそらく大統領選挙が終わるまでは、民主・共和両陣営ともあまり言いたいことを言えそうにありません。
食糧備蓄に関しては、世界のさまざまな地域で色々な話が進んでいます。東アジアでも備蓄の構想はありますが、具体化するにはまだまだひと山、ふた山越えなければならないでしょう。
そんななかで、最近、日本の食料自給率が向上しているらしいという話が聞かれます。これは、農林省専門家の一致した意見になりつつあるようです。理由は簡単、日本人が食事のおかずを減らしてお米を食べ始めたからというのです。小麦や牛肉を中心とした値上がりに加えて、魚の値段までもが燃油の影響で高騰しています。そうとなれば、おのずと食事は質素になってくるものですが、お米だけはちゃんとしたものを食べたい。というわけで今、お米の売上が急激に伸びていて、特に良質米が品薄になっています。
日本人がお米に帰りはじめたというもうひとつの証拠に……と、ある農林省の局長が教えてくれました。
「ふりかけの需要が増えているんです。ふりかけというものは、基本的にご飯以外には使わないんですよ」と。

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ご質問民主党の山根隆治議員が国会で、人類の防衛上の問題としてUFOを取り上げていましたが、加藤先生はどう思われますか?
おこたえ

私はUFOは、サイエンスフィクションの世界で誰かが考え出した仮想のもので、現実にはUFOはないと思っています。国会で答弁した麻生国務大臣や、ナスカの地上絵を取り上げて取材に応えていた官房長官の町村さんなどは“信じる派”のようですが、人間は大昔にピラミッドを造ったりして人智の及ばないと思われるようなことをやってきたのですから、あれは人間が描いたものだと判明しています。
パフォーマンスというか、柔らかめの話題づくりの意味も込めて、あのようにお応えになったのではないか、というのが私の印象です。

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