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携帯の充電器よさらば! 〜内田秘書(29歳) 格闘の日々〜

加藤先生の携帯またもやバッテリー切れ
 加藤代議士が、また携帯の充電器を忘れた。これで何度目だろう。衆議院の解散総選挙のときもそうだった。山形の選挙事務所でバタバタしている最中に、「誰か同じ充電器を持ってないか探してくれ」と頼まれ、手当たり次第に聞いてみたが、まるでシンデレラの靴のようにどの充電器にも合わない。バッテリーの残量が減っていくのを、なす術もなく見るしかなかったのである。

携帯電話の充電器に統一規格がない理由
 このような経験を何度も繰り返しながら、代議士が私に「調べてみないか?」と言ってきたのは今年2月のこと。
「出張先や訪問先で、そこにある充電器をちょっと借りて充電できたらどんなに便利か。一体、なぜできないのかねぇ。みんな不便に思っているだろうに」
当時は、携帯を買い換えると必ず充電器がついてきた。同じメーカーであっても、機種変更するたびについてきた。携帯電話の購入代金にあらかじめ含まれるセット価格になっており、メーカー純正の充電器を買うと2500円くらいはしていた。
 携帯電話は今や加入数が8000万を超えるという。日本人の2人に1人が持っていることになる。しかも、毎年200万台の買い替えがある。イコールではないまでも、それに近い数の携帯にいちいち充電器が付いてくるということに、代議士ならずとも疑問を持った人は少なくないはずだ。資源のムダであるし、不便このうえない。もし、どの携帯にも使える充電器があったら、もう「バッテリー切れ」という不安から解放されるというのに、なぜ、誰もがおとなしく、1台に1機を受け入れているのだろうか。
素人の私には、統一規格を作ることが、それほど難しいことには思えない。電池の進化によって変えざるを得ないこともあったとは思うが、少なくとも、同じ通信電話会社の携帯同士で互換性を設けることくらいは、できるのではないか。

できないのか、その気がないのか?
 そんなこんなで、現状を調べ始めた。2月当時、家電量販店やコンビニなどでは、数種類の機種に対応した充電器が売られていた。しかし、メーカー純正の充電器には、他の携帯に対応しているものは一切ない。社外製の充電器ではできることが、メーカー純正品ではやられていない。また、ある家電量販店の店員は、こっそりと「差し込み口のギザギザを削れば使えるんですよ」と教えてくれた。機種によって鍵穴のようにギザギザの位置を変えて差し込めないようにしているだけで、中は同じだというわけだ。要するに、メーカーサイドは、充電器を統一する気がないのだ。
 次に、各携帯電話会社に問い合わせる。いずれも「メーカーによって仕様が違うため」「製造はメーカーに一任している」「今のところ規格統一の動きはない」といった、あいまいな答えしか返ってこない。ただし、ドコモではFOMAだけは共通化されており、またドコモムーバは全機種ではないまでも、同じ充電器が使える機種がいくつかはあった。
 さらに、経済産業省に電話をしてみる。こちらの担当者の対応も似たり寄ったりである。「電池の技術の進歩によって、変えざるを得ないんですよね」。「メーカーごとに電圧や電流が違うんですよ」「仮に今の段階で統一すると、開発が止まっちゃいますから」という。本当なのかと疑いたくなる気のない返答で、私は少し苛立った。ダメだ、会いにいかなければ埒が明かないと思い、アポを入れて会いに行ったのだが、話は同じ堂々巡りのままであった。

参議院調査会での答弁は重いのだ
 数日後。私はひとつの資料を手にしている。平成16年4月21日に行なわれた、参議院「国民生活・経済に関する調査会」で、和田ひろ子議員が、経済産業省に対して行なった質疑の記録だ。その中に、このようなくだりがある。
「……充電器がみんないっしょだったらとても使いやすいだろうなということも考えます。そういうことを考えて、ユニバーサルデザインの観点から、このようなニーズに対応するために、例えば多品種少量生産による製品メニュー、製品をメニュー化することも必要だし、シンプルなものも必要だというふうに思います……」(抜粋)
 それに対する参考人、経産省のI氏の答弁はこうだ。
「ちなみに、充電器というお話もございましたんでございますが、一言だけ申し上げますと、充電器につきましては、今申し上げましたように、携帯電話がいろんなデザイン、形状、これまでは非常に薄っぺらいものを一生懸命作っていましたけれども、カメラ付きになりましたらばちょっと分厚くなったとか、そういう形状の問題もございまして、なかなかその充電器そのものを同じような形にすることは難しゅうございますけれども、これも消費者の方々、高齢者の方々、いろんなご希望に応える形でですね、メーカーの方にいろんな開発を促していきたいと思っております」(抜粋)

再び電話。しつこいヤツだと思われているだろう。担当者はいつもと変わらぬ気の入らない様子だ。
「今も、充電器統一を促す動きはないのですか?」
「将来的にはありますが、過去には検討もしておりませんね」
「おかしいなぁ、こんな答弁があったと思うんですけどねえ……」(資料を読む)
「……」
「ね、何もなかったワケではないんです。かれこれ1年以上経ってますからね。あなたのご存知ないこともあるでしょうから、これまでの経緯をペーパーにまとめていただけないでしょうか」
「え、経産省の正式なコメントとしてですか?」
「はい、そうですね」
 これで一歩進んだ。担当が国会担当氏から一段あがり、課長補佐が登場したのである。

 
(次号につづく)