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新年のご挨拶
 


衆議院議員 加藤紘一

明けましておめでとうございます。加藤紘一です。


一昨年の11月、内閣不信任案の提出をめぐる、いわゆる加藤政局を経て、去年は私にとって非常につらい一年間でした。

よく人は「苦労は自ら買ってでもしろ」といいます。そういう額に汗して努力しなければならない苦労は、私にとってはたいしたものではありません。しかし、国民の期待に応えられなかったという悔恨の思いは、政治家として骨身にしみる痛みそのものでした。今では、こうした苦しみも貴重な経験として今後の政治に生かしていかねばならないと冷静に受け止めています。

加藤政局の時、政治改革を求める国民のうねりの大きさが何故、分からなかったのか。国民が私に託した思いを何故、見誤ったのか。私は自問自答を繰り返しました。その一つの答えが、いわゆる『普通の人たち』と会う機会がもっと必要ではないかということでした。よく考えてみると、私たち政治家が普段お会いするのは、支持者や官僚、経済界などの人々がどうしても多くなります。むろん、いつも選挙が頭にありますから、出来る限り、個々の国民の皆さんに会う努力はしているのですが、どうしても偏りがちです。そして、私達周辺の人々の感覚を国民全体の思いだと勘違いしていたかもしれません。こうした反省の下に、全国行脚を始めました。インターネットでの募集により、全国55ヶ所、総計6700人の人々と触れ合うことができました。ほとんどが従来、与野党の政治家が会ったことのない無党派の人々、特に20〜30代の青年男女、40〜50代の主婦層の人々でした。

日本中が沸いた小泉政権の誕生。そして、今なお驚異的な支持率を誇る小泉ブームの持続。こうした時代のうねりを、私は今回、ある程度は予測できました。それは、全国行脚を通して国民の方の思いを生で感じ取ることが出来たためです。

改革を求める国民のうねりは、決してまだ終わってはいません。第二第三のうねりが必ず起こります。こうした認識の下、今年の新年はいつも以上の緊張感に包まれ迎えました。それは、今年の日本経済がかなり厳しい局面を迎えるだろうとの危機感を持っているからです。

さらなる財政出動や金融緩和だけで、このデフレ不況を乗り切ろうと論じる方もいます。しかし、私は今の不況がそんな小手先だけの対策では克服できない、もっと構造的なものだと考えています。

今、日本に限らず世界規模でデフレ傾向となっています。この原因の一つが、東西冷戦の終焉にあったということを忘れてはいけません。冷戦期には、西側諸国は併せて7億人の民がマーケットを形成していました。そこに、冷戦の終焉により、社会主義国の20億人が西側資本主義市場になだれこんできたのです。彼らは勤勉で、教育もしっかり受けています。おまけに、賃金は安く、旧社会主義国は、世界の生産基地として大きく台頭してきました。しかし、彼等の所得はまだ低く、需要を生み出すにはいたっていません。その結果、モノの価格も賃金も下落したのです。

日本経済も中国の安い労働力に市場を奪われ、空洞化が進んでいます。これは、かつて東西ドイツが統合した時に旧西ドイツが経験をした空洞化の数倍の規模となります。日本経済の構造改革を進めると同時に、中国にマネの出来ないバイオやナノテクノロジーなど科学技術を育てることが急務です。

さて、年末年始は、久し振りに家族と過ごしていますが、5日からはインドに旅立ちます。目的の1つはアジア行脚を行うことです。きっかけは、ある学生さんのこんな一言でした。
「加藤さん、国内だけでなく、アジアの国々にも行脚に行ってください」
全国行脚で京都の立命館大学を訪れたときのことです。
アジア行脚の第一段は、昨年の8月に台湾訪問で実現しました。
今回のインドは2回目の試みとなります。
政治家の外遊は、いろんな国々を駆け足で回ることが多いのですが、今回は、1週間にわたり、インド一国をじっくりと回り、現地の方々と触れ合って行きたいと思います。

中国とともに今後の世界経済や日本経済に大きなインパクトを与える国です。どんな人達と出会えるでしょうか。何を感じることができるでしょうか。帰国しましたら、ホームページで、皆さんにもご報告いたします。

2002年 1月


  

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