「訪中で見えてきたこと」


2005年6月22日収録−3


 6月20日と21日の1泊2日で北京に行ってきました。最近、日中関係が緊迫の度合いを強めていますけれど、私としてはどういうような中国の状況になっているのか目の当たりにしてみたい。それから日中関係を担当している古くからの知り合いの人たちと直接会って、どういう中国国内の情勢になっているかも見極めたいと思って行って参りました。

 それというのも、これからの21世紀というのはアジアの世紀になると思うからです。今、アメリカを中心としたNAFTAの経済はドルでいうと12兆の経済です。またEU、最近もめていますが、この全体を見ると、9兆ドルぐらいの経済です。そして、アジアの経済は日本、中国、インド、韓国などを合わせると、約8兆ドルの経済になっています。でも、中国やインドの経済の発展は物凄い勢いですから、私はあと5年もするとアジアの経済がNAFTAやEUの経済を凌駕して、世界のブロックの中では一番大きな経済になっていくと思います。もちろん人口のシェアもこの地域が圧倒的に大きいのです。そういうアジアのエネルギーが爆発するときに、その中のトップを走っている日本と中国がごたごたしていては、決して両方の経済にとって正しいことではない、得なことではありません。

 靖国神社を巡りかなりもめています。今度の中国の訪問で、色んなこと、新たなことが分かったという気がします。その中の第一は、靖国問題は中国にとってもかなり大きいということです。我々日本人は、ともすれば、中国はアメリカともtieでやりとりし、対等に勝負をしているし、ロシアともやっている、また人口も多い、だから、中国にとって対日関係、特に靖国問題は百のうち三つか四つぐらいの重さではないかと思いがちです。

 行ってみますと、実にそれは二割にも三割にも該当する重さで、もしかすると、これで胡錦濤政権に傷がつくというぐらいの重さのものだということに気付きました。例えば、この4月にデモがあった訳ですが、2回目3回目のデモの後に、これは何とかして抑えなければならないと言って、人民大会堂にデモをやりそうなグループのリーダー等々6千人を集めて、大説得集会をやったようです。駐日大使の経験者、楊振亜さんや徐敦信さん、それから武大偉さんこういう人たちが壇上に並び、外務大臣が説得し、そしてもしこの説得がうまくいかなければ、国内政治としても大変なことになるという緊迫した場面のようです。6千人も集めて説得し、そしてその後、各省に分かれて説得工作をして、やっとデモを治めたというのが実情のようです。

 それもそのはずです。北京のテレビを見ると、もう38チャンネル40チャンネル、内容を聴いてみますと、もう自由にしゃべっています。それにネットを加えると、中国の若い人たちがそう簡単に政府や党の言うとおりに説得されるような国ではなくなっているというように思います。

 ですから、中国にとってもこの日本との関係というのは命取りになりかねないという重さがあることを、我々日本人は巨象に一矢報いたという程度の感覚でいるとすると、色んなところで間違いが起きてくるのではないか、そんな感じがします。


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