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円安誘導で経済刺激
日経金融新聞
2001年11月26日からの転載
自民党の加藤紘一元幹事長は日本経済新聞社のインタビューにこたえ、財政・金融政策への見解を明らかにした。円安への誘導が短期的には有効な景気刺激策になると指摘、1ドル=140円程度までの円安を容認する考えを示した。不良債権処理の加速や来年4月に迫ったペイオフ凍結解除は予定通り実施すべきだと強調した。

会見の要旨は次の通り。

―― 政府が今年度第二次補正予算の編成に着手した。

「政治的には編成も致し方なかったかもしれない。日本経済を10年前と同じような循環で考えるなら、二次補正をやるか、やらないかの意味は大きかったが、われわれの経済が抱えている問題は、それをはるかに超えている」

「経済の刺激、活性化に資する事業を見いだせたらいいが、情報技術(IT)や都市型というスローガンは言えても、現実に歳出項目として探すのは難しいだろう」

―― 日本経済の構造変化の要因として中国の存在があるのではないか。

「東西ドイツ統合後に西独が経験した苦労の何倍もの大きさで中国の労働力が日本の雇用の空洞化をもたらしている。短期的には人民元の水準が適正であるかを論じなければならない」

―― 円安誘導による解決を考える向きもあるが。

「円安誘導も1つの道だ。これが日本経済に刺激を与える唯一の道かと思うときがある」

―― 円安誘導への具体的な手立ては。

「日本の経済と貿易の経常収支の流れを見ながら動いていく自然の姿に任せ、それを阻止する口先介入をあまりしないことだ」

―― 欧米から円安誘導への合意を取り付けることは難しいのではないか。

「それぞれの経済状況があるので、そう簡単にまとまらない。それぞれの国のファンダメンタルズに見合った通貨レートになるようにしていけば、その流れの中で円安が生まれてこないかという事をみる程度だと思う」

―― 銀行の不良債権処理の進め方は。

「金融庁が要注意先債権への特別検査を厳しくやることでまず不良債権処理の加速への道筋を付ける。不良債権処理を進めると、逆に市場は評価し、その銀行の株価は上がる。そのプラス面をもっと議論する必要がある」

―― 与党内にはペイオフ凍結解除の再延期論がある。

「再延期は日本の金融システムに対する諸外国の信頼を損なう。予定通り実施すべきだ」

―― 金融政策の発動の余地はあるのか。

「量的緩和がほとんど効果がないことが明白になったのではないか。日銀の当座預金口座を五兆円にしようと九兆円にしようと反応が起きない。それが分かりながら日銀を責めても事が解決するとは思えない」

「日銀がコマーシャルペーパー(CP)を買って日本経済のモラルが保てるか。(物価上昇率の目標を掲げ様々な政策を動員する)インフレ目標策は果たして実 効可能なのか。ゼロ金利は異常であり、すべてを不健全にしている。140円位の円安でじわっとした金利高というのが現在の唯一の解決策かもしれない」

── 了 ──