年金の話をします。経済財政諮問会議が打ち出した「基礎年金の全額税方式」。要するに、将来的には個々人の保険料の支払いをやめて、基礎年金は全部国庫が負担しようという構想です。 この方式が採用されると、保険料の未納者がいなくなり、現役世代だけが支払うのではなく「税金」というかたちで国民全員が支払うことになるなど、いい点はいろいろあります。しかしお金の出所となる「国庫」とは、つまり国民が収める税金が財源なわけで、これをまかなうために、消費税で換算すると5〜6.5%の増税が必要という試算があります。肝心のこの財源をどうするかは、まだ決まっていません。
さて、ここからは私見です。年金の受給額は、生活保護の金額よりも低くてはおかしいだろうと考えます。だとしたら、国の負担額は猛烈なものになります。 また、年金保険料を支払っていない人も支払った人も、みな等しい受給となります。長年まじめに払い続けてきた人と、まったく何も支払わずに明日65歳になる人とが同じ扱いになると聞いて、多くの人はがっくりこないでしょうか? さらにいえば、なんの貯金もなく、まったく年金を納めてなくても生活が保障されるという国や社会は、ゆるんでしまわないでしょうか? そんな国は世界中のどこにもないように思われます。
経団連も税法式の導入を提言しています。その背後には巨額な保険料負担から免れたいという思惑がうかがえます。 現在、1年間の国税収入は47〜49兆円、国民が収めている年金額は45〜46兆円、会社側の負担は11兆円です。この11兆円分が税方式になることで払わなくてよくなるわけですから、私だって経営者側に立てば当然「Yes!」と言います。経済界の論理には要注意です。 年金議論はまだ入り口。しっかり考えるべき重要テーマで、これについては、また改めて詳しくお話しすることになるかと思います。
もうひとつ、宙に浮いた5000万件の年金記録不明者問題があります。私は、この全てを名寄せすることはできないだろうと思っています。若い頃に年齢や経歴をいつわって就労した人の記録はかなりあるはず。本人が申し出ない限り分からないということです。このようなできない公約をしてはいけません。 いずれ、おそらく3月頃には大きなテーマになっていることでしょう。