日本では、あまり注意されなくなっていますが、イラクが大変な状況に陥っています。 開戦から3年、アメリカではブッシュ大統領に対する責任追及の声が日増しに強まり、超党派の調査委員会も動き始めているようです。米国は「イラクに大量破壊兵器がある」として攻撃を開始しましたが、結局見つかりませんでした。その後、「民主化のために戦った」のだと意義付けを変え、それがまた激しい部族間の対立という事態になって……もはや人権どころの話ではなくなっています。 21日の朝刊には、イラク前首相のアラウィ氏が、「これはもう内戦だ。これを内戦と言わずして、神は何を内戦と言うだろう」とBBCのインタビューに応えて言っていたという記事が出ていました。一方ブッシュ大統領は、「イラクは内戦に向かっていない」と発言しています。 もともとイラクというのは部族間の対決がありました。たとえるなら徳川統一前の戦国時代のような状況に近かったのではないでしょうか。歴史上のあの時点では、実際問題として織田信長や豊臣秀吉のような豪腕が必要でした。あの時代に、土井たか子さんのような方が現れて、議会制民主主義を訴えても意味はなかった。武力、権力で抑えるという一時期が必要だったのです。それと似たようなことを、イラクではあのサダム・フセインがやっていたのでしょう。そうした力を排除したら、その後社会はどのような情勢になるかということを、開戦以前に米国は考えるべきでした。パウエル前国務長官は、そのことを強く主張していたわけです。 私は当初から、あの戦争は反対でした。そして自衛隊を派遣することにも反対していました。案の定、今になって、さて、どうやってアメリカ軍が抜け、自衛隊が抜けていくのか、出口の見えない状況に陥ってしまったような気がします。 最近日本国内では、イラクのことに関心を持ち続けている人はあまりいません。アラウィ氏のインタビューはほんの小さな記事で、あれに目をとめた人は少ないでしょう。しかし、私にとっては、とても気になるニュースでした。
「Winny(ウィニー)」というファイル交換ソフト利用者からの情報流出が相次ぎ、社会問題になっています。私はおととしの5月の文部科学委員会で、当選11回のベテランとしてはちょっと珍しい1時間の質疑を行いました。そのなかでこのソフトの流行によって起こり得る問題点ついて触れております。 当時から、これはかなり大きな問題になりそうだという予感はありました。特定の人が管理するサーバーを介さず、個人のPC同士で、それも匿名で情報を拾うことができるようになると、ひとつには“著作権”というものの存在を別途考えなくてはならなくなってくる、ということを指摘しました。ウィニー以前に、アメリカでも「Napstar(ナップスター)」というウィニーに似たソフトが開発され、それが音楽ファイル交換用だったために、著作権などが争点となって大問題になっていたからです。 もうひとつには、ウィニーを開発した金子勇被告という優秀な技術者の存在があります。彼の提起した問題は非常に根源的なもので、深刻に受け止めなければなりません。彼が作り出したソフトは、もちろん悪用されると今回のような被害、秘密漏洩などにつながっていくわけですが、ソフト自体には違法性はありませんでした。ある意味、彼はそれを公開して、こういうソフトが開発される時代になってきましたよと、警鐘を鳴らした人でもあったわけです。 ナップスターのときにアメリカで行われた議論の論点は、「ソフトを開発した人よりも、それをいかに使うのか、つまり利用者をどう規制するかが問題なのではないか」というものでした。つまり、鋭い刃物とか、正確に当たる自動小銃、見事なハイテク武器を開発した人を悪いというのか、それを使って戦争をした人を悪いというのか、ということです。 この問題がどのように決着するか、目が離せません。