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同志雲霓
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1999年9月1日 ホテルアソシア静岡 静岡講演

 

静岡講演


会場のみなさん、今日は本当にこんなに多数お集りいただきましてありがとうございます。

私も今、天竜市の天竜厚生会という社会福祉施設の見学に約4、5時間おりまして、今こちらに駆けつけて参ったばかりでございます。なかなか天竜市の施設も総合的に意欲的な経営をやっておりました。その中で老後をどうやって安心して暮らせるか。1人1人の人が障害があってもなくっても大変思い悩んでいる姿を見せていただき、そうだなあ、と。やはりこの不安を解消するということが人々が日々生活していく上で一番重要だなあということを改めて感じさせられました。

私はこの国、今、景気がなかなか良く立ち直らない。それには私、2つの不安というものについてしっかりと政治家が議論することが必要だと思っております。1つの不安は今、言いました。自分の老後、大丈夫かなあ、と。安心して、なおかつプライド、尊厳を保ちながら、老後を生きていけるかなあ。これについてしっかりと議論しなきゃいけません。それからもう1つの不安は、この国の経済、大丈夫かなあ、と。どうも調子のいい日本の経済だったけれども、アメリカにやられそうだなあ、東南アジアの追っかけに追いかけられてしまうのかもしれない。こういった不安でございます。日本の経済、大丈夫か、私のお父さんの会社は大丈夫か。こういった経済とか雇用の不安でございます。特に昨日、新聞に出ました。失業率が戦後最悪になってしまった。これは政治の中で一番重要なことです。

私はこの2つの不安に政治がしっかりと目を向けなければいけない。答えを出さなきゃいけない。「先が見えないなあ」と国民が思っている気持ちに対して大丈夫ですよ、と。この国はやれます、というしっかりしたメッセージを政治家が出さなきゃいけない。それが今、まだない。そうならば、私たちは今、しっかりと議論しなきゃいかんのじゃないか。それが自由民主党の総裁選挙の任務ではないか。それはどこどこに細かな道路の予算をつけることも重要だ。減税してポケットに少しお金が残るようにすることも重要だ。しかし、それよりも何よりも、この国に住んで、この国が将来大丈夫か。魅力ある国として、尊厳を保つことができるか。それが一番重要だなあと思ってます。

その関連で言えば、もう1つの議論は、最近この国はなんとなく、まあ、国内で元気がなくなったかなあ、外に向かって元気になろうとする、ある種のナショナリズムみたいなものが出てきたんではないか。で、それが国際社会の中で一国平和主義っていうのはダメだっていうのは分かる。だから少し憲法改正して、いろんなことをやれるような、国際的に軍事力でも貢献できるような国。自分の国は自分で守るような国にならなければいけない、というふうには思うけれども、しかし、もしかしたらこれが昔、迷い込んだ、間違えた道の第一歩なのかもしれない、と思うと、考える基準がなくなってしまった。だから、日本の国の進路についてのもう一つの不安。こういうのもが国民の中にあります。私はこのテーマも実に重要な話で、民主党の党首選挙というのは、このテーマで争われるそうですけれども、私もこの自由民主党の中で、議論がこのテーマについてもしっかり行われるべきだと思ってます。私はこの憲法改正の問題については、しっかり国会で論議したほうがいいと思ってます。ただ、最初っから憲法9条を改正するということを頭に入れて議論すべきではない、と思ってます。今の日本国憲法の解釈でもですね、自分の国を守るってことについては、みんな同意してるんです。昔、社会党、反対でしたけども、自社さ政権をつくって村山政権になってからですね、社会党の人も憲法9条、自衛隊、認めるっていうふうになってくれた訳ですから、この点について自分の国を守るという点については、いささかの疑問ももうなくなってきました。問題は自分の国が攻められた時ではないけれども、相手の国が攻められた時に、これは自分のことだという気持ちで助けに行くか、これが集団自衛権という考え方ですが、まあ、私はそこに踏み込む改正を今、必要かどうかっていうのは、日本を取り巻く国際情勢を十分考えながら、現実的に議論しなきゃいかんと思ってます。

で、日本が助けに行くというような条約を結ぶ相手の国はどこか。まさかドイツではあるまい。まさか中央アフリカの国ではあるまい。そういう条約を日本と結ぶ必要が日本もありと考え、相手もあると考えるのは、周辺諸国です。韓国がそれを日本に求めるでしょうか。日本が一緒にやろうと言っても韓国は「NO」と言うと思います。中国にどうでしょうか、と言ったら、ちょっと考え違いじゃないでしょうか、と。向こうも「NO」と言うと思います。唯一あるのはアメリカが今の安保条約だと私たちアメリカは助けに行く、命を落としても助けに行くっていうことになっているけれども、自分たちがアメリカがやられた時には、日本は来れないという条約になってるから、じゃあ、片っ方、片務的ですねえ、と。だから日本も来て下さいということを要求するか。もしそうなった時には私は憲法改正が必要だと思っています。しかし私は、アメリカがそれを要求するとは思ってません。はっきりとそこは明確にアメリカはそれを望んでないということが言い切れると思います。

そうすると憲法9条改正して、日本があえて海外における武力行使しなければならないケースはどういうことかっていうと多分、アメリカが世界のお巡りさん、警察官としてアジア地区、アジア・太平洋地区において、ある紛争が起きた時に、例えば、ユーゴスラビアにおけるコソボのような事件がアジアで起きた時に、そこを収めに行くから、日本も付き合って武力をもって助けに来て下さい、と万が一言った場合です。私はそういう時に日本がしっかりとした行動を起こすっていうことが今、日本を取り巻く国際情勢からみんなが要求しているだろうか。韓国・中国が納得するだろうか、といったら答えは「NO」だと思います。その前に私は、PKOというんですが、国連のもとにおけるある種の国際貢献をする、という今のしくみをしっかりやるべきであり、特にPKFといってもう1つ踏み込んだ行動をするという方向で処理すべきであって、日本が自衛隊をフル稼動させて、貢献するということは尚早、時機尚早だと思ってます。私は日本の憲法9条というのは日本の外交・安全保障姿勢を海外に示す、ある種の外交基本宣言という側面を持っているのであって、そこの立場を明確にしておくべきではないかなと思ってます。この点について私は、民主党の中で議論があるそうですけれども、まだまだイメージ先行の議論になっているのではないかなと思います。

私たちの党内では、私と山崎拓先生は友人ですけれども、そのアメリカ軍の国際貢献の時に助けに行くべきかどうかについて意見が違います。小渕さんも違った意見を持ってるかもしれない。だから私は、ここで自由民主党の総裁選挙で3人の候補が、この日本のあるべき姿、特に、平和と安全の問題について、しっかりと議論し合うってことが、今、必要であり、3人がテレビの前で堂々と討論し、党員、さらに進んで、国民のみなさんのご判断を待ち、国民も一緒になって議論してくれることが今、最も必要な時ではないかな。ぜひ今度の総裁選挙を機会に、そういう議論を党内だけではなく、国民の間に広く広めたいな、という気持ちで一杯でございます。

さて、私が冒頭に申しました2つの不安、ということについて、また戻ってみます。私は日本人の老後はしっかりと守り切れるものだと思ってます。なぜならば、みんな年寄りが増えた。それから、いつまでも長寿で長生きするようになった。子供は少ししか生まれない。計算が合わないじゃないか、といって不安になってますけれども、しかし私は昔、65歳になるとかなり体力が落ちたものです。で、71歳で男は平均寿命を迎えて、この世から失礼いたしたんです。今、76が平均寿命ですから、老後というのが倍になった。こりゃ事実です。しかし今、70のご老人で、もう本当に疲れ切って動けないっていう人はあんまり多くありません。まあ72、3まで元気です。女性の場合にはされにお元気でいらっしゃいまして、80ぐらいまで元気でいらっしゃいます。で、結局、問題なのは何歳まで生きるかじゃなくて、自分で身の処理ができなくなった期間がどれぐらいかっていうことなんです。25年前に比べるとずうっと今の方が寿命が延びたんですが、ところが、人に面倒を看てもらう要介護の期間は逆に短くなってんだそうです。厚生省の統計です。なぜならば、ゲートボールもするし、手芸の教室も静岡市役所でやってくれるし、老人のためのパソコン教室なぞというのを各自治体がやったりして、ボケないようにしているからです。で、結局、男が1.5年、女が1.7年。これが要介護の時間で、したがって、これをですね、しっかりと面倒みるだけの力はお互いに持ってるんではないでしょうか。

いろんなところをですね、倹約しなきゃいかんと思いますよ。老後の問題でも。例えば、今日、天竜厚生会に行って、失礼かなあと思ったんだけど、日頃してみたい疑問を投げてみたんです。老人福祉施設、特に、特別養護老人ホーム。中に入っていると、国は1ヶ月、お1人様34万円くらい使ってんです。で、これはあの、小渕恵三さん、石川知事、小島市長さんが出すって訳じゃないんです。ポケットマネーで出してる訳じゃないんです。みんなが出してるんです。ところが自宅にいる人はですねえ、まあホームヘルパーで時たま、誰かがいきますから、その時は5万か10万。せいぜいその程度しか国は掛けない訳です。ちょっとあんまりに差があるんじゃないですか、という感じがします。

ところが、その特別養護老人ホームに入ってる人に、年金がきます。少ない人で5万。ある人には12、3万くる。「その年金はどうなってるんだろうね」って質問してみたんです。「いや、加藤さん、よく聞いてくれました。その年金がたまっとるんです」と。「たまっとるんです。それで部屋の中に置いておくといろいろあるんで、事務所が預かってるんです」と。天竜の厚生会で預かっている個人の方の年金の貯金通帳の総額が、これ、言っていいのかなあ。ウン十億円になるんだそうです。あそこの大きな施設ですから。それで、亡くなられた時に、生きとる時には1回も来たことのない息子さんが取りに来るっつうんです。で、「これで福祉でいいんでしょうか」と理事長さんが言い、それから、現実にその老人を扱ってる33歳ぐらいの直接庶務職員の働いている女性職員も「加藤さんがお聞きになったから言います。矛盾です」と言ってました。だから、そういったところはね、我々直して、倹約していかなければいけません。総合的に老後のことは考えてかなきゃいけないし、そういう点で言えば、家があって、食べ物が安ければ、みんな楽な老後になるんです。だから、建物のこと、それから野菜とか肉が安くなるような社会をつくる。そんなことをして我々はですね、しっかりとした安心した老後ができるようにしてみたい。こんなふうに思って、必ずやってみせたい。特にそういう時には国がやってる公的年金にね、みんながこう、不安を持ってるようじゃダメですから、しっかりとした年金制度についての確立と説明をしながらですね、老後は大丈夫、贅沢はできないかもしれないけども、そこそこ誇りを持って生きていける老後にしますというのが、ひとつ。そこに自信を持ってもらったら、多分、明日からスーパーマーケットで買う品物がひと品ぐらい増えて、景気が良くなるんじゃないかなというふうに思います。

それからもう1つ、この国が将来、大丈夫かなあっていうことですが、私は申し上げたい。大丈夫です、この国は。絶対に大丈夫です。私たちが大丈夫にしてみせます。なぜならば、大丈夫になる要因がちゃんとあるんです。その理由の第一、「歴史を学ぶものは楽観的になれる」っていう言葉があります。いろいろ、国の歴史をみて下さい。今、イタリアはあんまり調子良くない。しかし、あの人たち、明るいんです。なぜか。「2000年前、うちの国、よかったもんね」と。確かにローマ時代のイタリアは繁栄しました。あの時代からもう高速道路があって、そして、市民全員にかなり安いお金で入らせるサウナがあったんです。「カラカラ浴場」っていいました。みんなで楽しんでもらうための大きな闘技場があった。コロシアムといいます。まあ言うなれば、サッカー場みたいなもんですな、今で言うところの。だから、イタリアの人たちは明るいんです。まあその、2000年前のことを考えなくても、25年前のイギリスというのどうだったでしょう。日本の新聞に「イギリス病」っていう言葉があったじゃないですか。福祉がいきすぎて、誰も働かない。産業はどんどんダメになる。企業が国有化したらみんな採算が悪くなった。もう、つぶれゆく、沈みゆくかつての帝国か、と言ったんですが、今、ちゃんと立ち直りました。ブレアという若い総理大臣が「クールブリタニカ」っていう言葉を言ってるそうです。「クール」ってのは「冷たい」。「クール宅急便」の「クール」です。「冷たいブリタニカ」、イギリスです。「冷たいイギリスか」というふうにまあ、僕ら英語、よく分からないとそう思っちゃうんですが、いろいろ聞いてみると、「イカすようになったイギリス」「カッコいいぜ、イギリス」という意味なんだそうです。

10年前のアメリカをみて下さい。銀行の中小はつぶれて、日本の銀行に買い取られてきました。アメリカ人が一番誇りに思う産業が、自動車です。トヨタ・日産に負けた。そして、ニューヨークのど真ん中にあるロックフェラーセンターという大変有名な建物は、日本に買い取られた。アメリカの人たちは、ニューヨークの人たちは、クリスマスの夜にその前でみんなで歌を歌いながら、ワインを飲むのを楽しみにした。そのビルです。日本人が国技館を買い取られたような気分になった、といわれますが、そんなようなもんだったんです。そのアメリカが今、10年経って、こんだけ元気になり、株の値段は高い。経済はいい。そして世界を引っ張ってってるわけです。だから、どこの国にもですね、いい時と悪い時があります。調子のいい時と悪い時があります。そして、それを克服してやってくるんです。だから我々の国にこれができない訳がない、と私は思います。この国、今、みんなたそがれっぽい。なんとなく一仕事終えたその後みたいにダラッとしている。しかしここにもう1回活力を入れて、より充実した生きがいのある社会を私たちはつくれると思います。

そのために3つのタネがあると思ってます。3つのタネがある。そのタネ。それは何かといったら、1つは高い貯蓄率に基づく、日本人の資本蓄積です。前、厄介なこと言いましたが、みんなけっこう倹約して、将来に備えてお金ためてるってことなんです。そのお金が日本にたまってる。世界で最高の貯金のある国です。

2番目。技術及び技術開発力が出てきた。アメリカにいろいろ教えてもらう日本でありました。しかし最近では、日本人自身がもうじき、数多くのノーベル賞を穫るようになるんだろうと言われるぐらい、創造性、クリエイティブネスが出てきた。あの、下水管が詰まったり、電線を入れてる管が地下で詰まったりすると、人間が入っていきません。最近、これぐらいのロボットを入れてですね、ダーッといって、線を、ダメになったところを修理して無事にかえしてるんです。それと同じようにこれぐらいのロボットじゃなくて、1ミリのロボットを作って、潜水艦みたいにして血管の中に送り込んでやる研究してます。で、コレステロールの詰まったところ、心筋梗塞の詰まり、ゴショゴショゴショっと修理してかえってくる。そのロボットができれば、1台、1億円か2億円ぐらいで世界の病院に売られていきます。手の上に何千億円のGNPが乗っかるっちゅうことになります。素晴らしいことじゃないですか。最近はある配線管細胞っていう難しい言葉だそうですが、バイオテクノロジーで神経を再生していこう、と。だから、耳が遠くなった、目が不自由になった、それを直そうと意気込んでやってるんです。盲目を直そう、耳が聾唖になったのを直そう。将来、科学者が夢見てるのは、日本の老夫婦がロンドンに行く。買い物をする。店の売り子が「日本から来るご老人はいつまでもどうしてそんなに耳がはっきり聞こえるんです」「いや、日本じゃあね、65過ぎるとみんなちょっと手術するんです。すると遠くなった耳が100%戻るわけじゃないんだが、大体いい線まで戻るんです。日本人なら誰でもやってることです」なんてことを言って驚かすっちゅうことを夢見て、科学者は必死になってやってるんです。だから、私たちはその力をですね、フルに稼動させたいいタネがあるんです。

それから3番目には、1億2500万人という大変教育水準の高い、そして生真面目な日本人がいます。

この3つのタネがあるんだから、また盛り返すことが絶対に私はできると思うんですが、ただそのためには、1つの努力が要ります。そのタネをまく土がですね、最近固くなっちゃったんです。

私はあの、山形県の鶴岡っていうところが地元です。庄内平野、米どころです。ですから言うなれば、私は完全な農林議員です。で、ある日ですね、まだ当選2回ぐらいの若い時に選挙区に帰ったら、「代議士、だいぶ農業のこと、分かってきたねえ。しかしあんたは百姓の作業、やったことないだろう」って言うんです。「いや、ないです。そうだ、ない。」「教えてやる。いいか。同じ畑地にですね、同じ作物を何十年植え続けると、土が固くなっていいタネが育たない。そういう時には土を掘り返して、空気を入れて、落ち葉を入れて、一番いいのは堆肥を入れて、バーっと混ぜるとホワッとやわらかな土になる。食べてみたくなるような土になるのだ。そこにタネを入れると、ホウレンソウが青々と、キャベツがどっしりと重く、そして球根を入れると赤、青、黄色のチューリップになる。グラジオラスがひょんと立ってくる。そんなもんなんだよ」と、じいさんは言って、最後に「政治もそんなもんかもしれんぞ」てなことを言って、にこっと笑ったんですねえ。それがですね、昨今、頭に浮かんできてしょうがないんです。

日本の社会っていうのはいいタネが埋まっているんだけれども、それが育たなくなったんじゃないでしょうか。例えば、さっきアメリカは10年で甦ったと言いました。何で甦ったか。これはみなさん知ってる通り、1つは金融の力で世界のお金をぐるぐるぐるぐる回すコツを覚えて、マレーシアをいため、タイをいため、韓国をいため、日本をぐうぐうぐうっと揺すって、だいぶお金を稼いだ。あの力ですよ。もっとも稼いだものを全部、ロシアに持ってって、パーになっちゃってるとこもあるんですが。でもその金融の力、これはあのデリバティブスだとか何だか難しい話でそれは分かんないんですけれども、その技術力がどこにあるか。それを大学の経済学部の研究室と数学とを使って、銀行界が一緒になってですね、知恵を作り上げてって、世界を席巻したわけです。じゃあ、日本の経済学部でもやってくれりゃいいじゃないかっていったら、そんなもんは学問じゃない、と言って、日本は有力大学では相手にされない、今でも。しょうがいない。工学部出身の教授たちが研究、始めてるんです。銀行に頼まれて。だから、これ1つとってみてもね、もう、頭が固くなっちゃってんですよ。経済学部ではマルクス経済だとか、ケインズを教えてるもんだって。頭が固まっちゃってて。で、よくまあ、この頭の固さで日本、今日まできたな、と思います。

もう1つ、アメリカが10年来うまくやったその最大は、情報技術っていうんです。で、例えばね、そのビル・ゲイツという人がやったマイクロソフトっていう会社はですね、12年間で成長して、そして、トヨタの4倍の売り上げになった。しかしそれも、大学と産業界が一緒になって、連携してできるようになったんです。そういうことを日本でやるかといったら、日本で大学と産業界が協力したらですねえ、こりゃなんか汚職みたいになって、この間もある大学の教授が逮捕されました。だから、そういうところを直していけばですね、私はこの国はやれると思っています。そういう改革を私たちは次から次へとやりたいと思ってます。そしてこの国を元気一杯にしたい。そしてその時のキーワードはね、「日本」「科学」そして「自然」という言葉じゃないでしょうか。日本人は、アメリカ・ヨーロッパの豊かな社会を夢見て頑張って働いてきました。これからは日本は、日本の価値のために頑張っていくんです。日本の本当の伝統と文化。その価値の根元にあるのは何かと言ったら、いろいろ議論はあるんですがね、私は自然を敬ってるってことだと思いますよ。日本人が日本人らしいなあって思うのはいつかっていうと、例えば、伊勢神宮の境内に行って、あの自然の中で、じっと落ち着いた時、日本人になるんです。村の外れにある鎮守の杜に行って静かに拝んだ時に、日本人が自分だということに気付くんです。

山川草木。山、川、草、木。全てに命があり、全てに神様がいると思って大切にし、自然をヨーロッパ人のように壊そう、克服しようとするんじゃなくて、一緒に住もうということを考えながらやってきてるところに、私は日本の本当の姿があるように思います。自然を大切にし、心豊かになっていく。そんなことをテーマにですね、私はこの国をみんなでつくり変えていきたい。

大人が夢を失ったら、子供たちが夢を持つわけありません。大人がしょぼくれたら、その後についてくる子供たちは元気を失います。その、大人の中で一番夢を持たなきゃならんのは政治家であり、政党であります。我々はしっかり前向いて、この国をもう1回張りのある、誇りのある、そして個性のある日本にしたい。そんな気持ちでこれから一生懸命頑張って参ります。

今日は本当にありがとうございました。頑張ります。ありがとうございました。

 

 

 

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