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今、日本のある種の現象としては、やはり幅広くみんなで物を考えようというところがあるのではないかと思います。そしてもう一つ、非常に注意しておかなければならないのは、野党という存在が、あまりはっきりわからない状況にあります。
そうすると結局、共産党が一番はっきりしているねということで、自共対決みたいな状況になっています。これは、一家の主婦になぞらえると失礼かもしれませんけれども、やはり家庭の中の財布の心配を1回したことのある人間は、決してもとに戻って放漫な経営というのは、乱費というのはできなくなる。
娘時代は何買ってよとか、いろんなブランド物を買ったかもしれないけれども、一度財布のひもを握って苦労すると、なかなかそう簡単に物を買えなくなるというものです。共産党を除いた全部の政党は過去4年の間に与党になって、国家財政の心配をし、国のあり方を悩み、単純に安保反対なんて言えないなということがわかった。
そうしますと、自民も新進も民主も社民も、ほとんど政策が似てくるわけであります。また、似ざるを得ないような小選挙区という選挙制度にしちゃいました。
我々は政治家ですし、きょうお見えになった方も政治には非常に関心のある方ですから、社民と民主と民社の区別がおつきになると思います。しかし、一般国民の間、特に若い人の間で、社民と民主と民社、この区別を明確にわかる人というのはいないと思います。菅さんと鳩山さんというのは、どこだっけ、あれ、民主党だっけ、民社党だっけ、それとも社民だっけ、それともというような感じだろうと思います。
そうしますと、ストーンと共産党へ行っちゃいます。あそこはすっきりと反対とわかっていいじゃないかと。それに、志位さんという人も結構弁が立つし、何か暴力革命をするような顔をしていないしね、というような感じです。あの暴力革命をする、共産主義の暗い、粛清をする共産主義者なんていうのは、45歳以上の人間が記憶にある程度でありまして、ほとんどの若い人は、何かまじめな政党だな、そして、反対論も明確だし、論理明晰だし、みたいな感じじゃないかなと思います。
ですから、私は、よほど注意しませんと、これからの日本の政治に、5年後ぐらいに自共対決の時代が来るんではないかと考えています。いや、そうは言わなくても、もう既に自民党の次に支持率が高い政党が共産党になるという世論調査が、10のうち3か4は、そういうデータが出るようになりましたので、やはり我々は、ここでしっかりとした自民党の政治をやっていかなければいけないなと痛感いたしております。そして、それは幅広く意見を吸収する、そんな態度をとり続けなければいけないと思っております。
(97年10月)
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