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「いま政治は何をすべきか」



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加藤紘一からの緊急メッセージ
第二弾 なぜ、いま政権交代を求めるのか


 ■ 森喜朗内閣の「政策不在」「政治姿勢」に
   国民はノーといっている

政治に対する国民の不満は頂点に達しています。それは最近の世論調査を見ても明らかです。NHKが11,12日行った調査によれば、森内閣を支持する人はわずか17%、反対に支持しない人は60%以上に上っています。3週間前に毎日新聞社が行った調査では支持率はなんと15%でした。この数字は、国民の6人に1人も内閣を支持していないということを物語っています。

世論調査だけではありません。経済の信任投票と言われる株価を見ても、このところ1万6000円を割り込む状態がずっと続いています。国際的な格付け機関であるムーディーズの日本に対する評価が下がっているのも気になるところです。  

もちろん政治は、世論調査や株価だけに左右されてはならないことはいうまでもありません。支持率の低さにじっと耐えなければならないときもあります。例えば国民に新たな負担を求めたり、行政サービスをカットしなければならないときは、当然内閣支持率は下がるでしょう。内閣に対する風当たりは強くなります。でも国と国民の将来に責任を負う内閣は、それにじっと耐えなければならないのです。  

私も、森内閣が財政、構造改革などの問題で国民の皆さんに苦い薬を飲んでもらおうとして、内閣支持率が下がったなら文句を言うつもりはありません。党員の一人として全国を回って政権が取り組んでいる政策の意味を積極的に説いて回る覚悟はできています。  

この場合も首相が先頭に立って、進めている政策が明るい未来のためには不可欠であることを説明し続ける努力が必要です。それによって一時は内閣支持率が下がっても、政策が実行され、理解されるに従い、支持率は徐々に回復していくものです。  

ところが、森内閣の支持率は発足当初から低下の一途をたどり、とうとう10%台にまで落ち込んでしまったのです。この間、景気回復優先の名のもとに、構造改革はほとんど先送りしてきたのです。今の日本の不況は財政出動だけで脱することができないことは、この数年で100兆円の景気対策をしても景気回復できなかったことからも明らかです。内閣は、一部には倒産などの事態が生じるかもしれないが、思い切った改革を進めなければ、いよいよ日本は沈没してしまうことを国民に説明し、改革のビジョンを明示して、着実に実行することが求められているのです。  

さらに経済だけでなく政治、社会全体を、国際化、情報技術(IT)革命、少子・高齢化に対応できるものに変えていかなければならないのです。それが政府から示されないことに、国民は大きな不安と苛立ちを抱いているのです。私が全国を回って構造改革の必要性を訴え続けてきたのは、果 敢なる改革こそ、国民の政治不信解消の唯一の道と考えているからにほかなりません。  

森内閣はこの7ヶ月、どこまでの危機感を持って政治に取り組んできたのでしょうか。私は政治家が会食したり、スポーツの観戦に出かけたり、音楽会や美術展、映画館に足を運ぶことを一概に否定しません。むしろ政治家なら一層多くの人に会って意見を聞き、スポーツや芸術に接することが必要だと思っています。私が全国各地の研究施設や最先端の工業施設などを回っているのも、報告書などで理解するより、実物に触れることが重要だと考えているからです。

でも時と場合があります。首相の動静を見ながら国民は、首相の危機感を推し量 っているのです。ところが首相の動静からは緊張感がまったく伝わってこないのです。森首相の「神の国発言」など一連の失言や外交的不手際は、今さら指摘するまでもないでしょう。国民の我慢はすでに許容の範囲を超えていいるのです。それが内閣支持率に現れていると言っていいでしょう。だから内閣支持率を問題にするのです。自民党の多くの国会議員も、国民の不安と焦りを感じているはずです。ところが最近の自民党では、こうした国民の不安や焦燥感について率直に意見交換する雰囲気が失われててしまっているのです。


 ■ 派閥や党の論理を越えて考え、行動すべき時だ

政策不在やリーダーの危機感の欠如に対する国民の怒り、さらに自分たちで何かしなければならないと言う機運はかつてない盛り上がりを見せています。それを私は全国を歩きながらひしひしと感じています。いまこそ国民の意志を反映した新しい政権をつくり、日本の構造改革に本格的に着手しなければ、この国は崩壊し、世界の発展から大きく取り残されてしまいます。新世紀を迎え、中央省庁の新体制がスタートしようとしている今こそ「構造改革内閣」ともいうべきものを発足させなければなりません。

私は、昨年秋の自民党総裁選に立候補して、政権構想を明らかにして以来、折に触れて政治的見解を鮮明にし、政策提案をおこなってきました。ところが現状の本質的打開と国の将来を決する「構造改革」問題についての自民党内の議論は進まないどころか、議論することを避けようという空気が漂っています。それどころか、執行部の一部には、まじめな議論を冷笑するような傾向すら見られます。

今回の私の行動について「党内論議や手続きを踏んで」との意見があることも承知しています。でも、その「手続き」なるものが健全な議論を妨げていることをもっと直視すべきでしょう。政治家は、派閥や政党のためにではなく、国家と国民のために尽くす存在です。いま、その原点がすべての議員に求められているのです。自民党は、日本の政治は、変わらなければなりません。そのために私は立ち上がったのです。皆さんのご理解とご支援を心からお願い申し上げます。

次回の「緊急メッセージ」では、「いま、何をどう変えるべきなのか」「この国のめざすべきは何か」等を掲載して行く予定です。

 

(2000年11月15日)
 


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