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加藤紘一からのメッセージ 2001年2月13日


東京都早稲田にて<2月10日>

加藤紘一です。  

2月10日、「日本の将来について熱く語る有志の会」に招かれて行ってきました。会場は早稲田大学の第二学生会館の4階の会議室。確かこの学生会館は、30年程前に建てられ、当時はモダンな設計で、注目を集めたにもかかわらず、学生運動最盛期の折から、使用にあたって大学側と学生側の話し合いがつかず、長い間封鎖されていたということを憶えています。四方ガラス張りの直方体のこの建て物は、古くはなったものの、学生たちのコミュニティの場として、この日も活気を帯びていました。  

セメントの打放しの柱には、「加藤紘一、来る」との小さな貼り紙が何枚もありましたが、その一枚に、「あの」と書き添えられていたのがあるのを、私は決して見逃しませんでした。私は、今まさに「あの、加藤紘一」なのです。残念ながら「あの」というこの二文字に、私の今の政治的立場と課題が象徴的に表現されています。しかし、政治家は人気商売、なんと言われようとも、訴えなければならないことは、訴えます。そして、話を聞いてくれるところには出向きます。  

「有志の会」は公務員をめざす学生、大学院生と卒業して公務員になった人達の集まりで、この日は早稲田大学を中心に慶応大学や都内の大学生とそのOBが40名程集まってくれていました。

私は、はじめに、「この国はいまたそがれっぽく、めちゃくちゃだが、潜在能力はあるし、エネルギーを持っているから、改革をすれば大丈夫、立派な国になる。そのためには科学技術を発展させることと、この国の在り方についての議論を交わし、アイデンティティをしっかり確立させることが大切だ」と話しました。  

質疑は活発で、一度に10人もの人が手を挙げるありさま。公務員をめざす人たちだけあって、質問は、「小さな政府と社会保障の折り合いをどうつけるのか」「政府の歳出削減を可能にする方法は」「どんな経済モデルを志向するのか」といった専門的で高度なものがほとんどで、私は一瞬、国会で答弁している錯覚に陥っていました。  

だが、学生たちの質問はやはり「あの」問題に集中。「なぜあの時一人ででも突入しなかったのか」「なぜ自民党や宏池会にこだわるのか」「改革、改革というが、何をどう変えていくのか。その見通しはあるのか」などなど。  

私は、昨年11月20日の「加藤政局」について、「本会議に出席して、不信任案に賛成票を投じなかったのは、私の間違い。あそこは行くべきだった。私の中の古いもの、永田町的なものが、判断を誤らせた。魔がさしたとしかいいようがない。また、勝ちにこだわりすぎた。あの場面 では、勝ち負けよりも、局面を変えることのほうが大切だったのだが、それが結果 的にできなかった」と述べました。  

「あなたにはユーモアがない。腹を割って本音を見せることも必要では」という、痛い質問もいただきました。それに対し、私は「これまで仕事一筋に歩んできたので、人間に幅がないといわれれば、そうかもしれない、神様が与えてくれた試練をいまかみしめている」と答えるのが精一杯でしたが、一人の人が「個性はいろいろだ。政治家は優秀で、誠実であればいい。石原慎太郎さんにくらべて確かに印象は強くないが、加藤さんは、ホームページなどを通じて大切なメッセージをたくさん出している。これからは、政治家のパフォーマンスにたよるのではなく、国民が政治家に、積極的にアクセスしていくべきだと思う」と発言してくれました。  

「後世畏るべし」。今日もまた私は、若い人から大切なことを教えてもらったような気がします。

 

(2001年2月13日)

 


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