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リンゼー次期米大統領補佐官
明日(1月20日)、米国でブッシュ新大統領が誕生しますが、その経済政策担当補佐官にリンゼー元FRB(連邦準備制度理事会)理事が就任します。リンゼー氏とは、1年半位
前から3回程度、同氏が来日する度に山崎拓さんを交えて内外情勢について意見交換する機会を持っています。ハーバード大学教授、お父さんのブッシュ前大統領の特別
補佐官を経て、91年に36歳の若さでFRB理事に就任した輝かしいキャリアに似合わず、会ってみると非常に気さくな人物です。前回は、昨年リンゼー氏が11月中旬訪日と聞き、日本の財政問題を懸念している私、山崎拓さん、それに民主党の熊谷弘さん、仙谷由人さんを交え、リンゼー氏とのミーティングを1ヵ月ほど前に計画しました。たまたま11月15日と言う加藤政局の最中ではありましたが、有益な会合でした。財政赤字を拡大しての景気回復という日本の従来路線は誤りとのリンゼー氏の主張には強く共感しました。
帰りがけに、私はリンゼー氏にこんな質問をしました。「リンゼーさん。前回会った時に、私が99年1月にスイスのダボス会議でルービン財務長官、サマーズ同副長官(当時)から日銀による国債引受の可能性を打診された話をしました。そこで、あなたは中央銀行出身のエコノミストとしてそういう考えには強く反対すると言いました。また、対等のパートナーである日本にそういう命令口調で指図するクリントン政権のやり方を批判していた。そういう考えは今も変わりませんか」。これに対して、リンゼー氏は「全く変わりません」と答えました。私は、政府の国債を日銀が引き受けるようになれば、財政のけじめがなくなり、将来に大きな禍根を残すことになると考えていました。そもそも今の財政赤字の原因として、1984年に国債の大量償還を控えてそれまで10年だった赤字国債の償還期間を60年に延ばしたことが、借金することに対する抵抗感を弱めてしまったのかとも思います。
リンゼー氏は、昨年12月1日に、ワシントンで「米新政権の対日政策の課題」と題する講演を行い、日本に極めて友好的かつ示唆に富むメッセージを送っています。リンゼー氏の主張は、簡単にまとめると「過去8年間、米国政府は日本の財政・金融政策をコントロールしようとして外圧を使ってきたが、これは間違っている。財政・金融政策は、各国国内の政治的関心事であり、国際的な交渉の道具にすべきことではない。今、日本にとって必要なことは構造改革、とりわけ財政再建である。日本が本気で財政再建に取り組むのであれば、日本は米国市場(輸出のための財市場と貯蓄の海外流出のための資本市場)に依拠する必要があるだろう」というものです。つまり、米国が日本の財政再建に伴う需要の落ち込みを補うために日本の輸出を受け入れる。一方で、日本はドル相場、米資本市場の安定のために、積極的に米国に資本を輸出する。こうした日米間の協調政策、市場開放策を打ち出すことで、両国の利害は一致するという考えです。
今の日本経済が抱える問題は、国内の財政・金融政策だけでは容易に解決策を見出すことは困難です。しかし、日米協調という観点を加えれば、意外にブレイクスルーが開けてくる可能性があるのではないでしょうか。
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