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株価下落
先々週来、東京株式市場の続落傾向が続いています。心配していたことが、やはり起き始めたという感じがします。米国のナスダック(NASDAQ)をはじめとする株式市場は、どう考えてもかつての日本のようにバブル傾向があったと思います。特にここ1~2年そう感じておりました。そのアメリカに株安の傾向がもし起きると、影響は必ず日本の株式市場に出てき
ます。だから、その影響を少なくするためにも日本の経済の構造改革を急ぐべきだと訴えてきたのです。特に各企業の不良資産の処理は早く進めておかなければいけない、問題を先送りしては事業会社も金融機関も後になって大きな問題を抱えると思っていました。
しかし、現実は「言うは易く行うは難し」で改革が十分できないまま、今回アメリカの株安の傾向に日本の経済が揺すぶられているといっていいでしょう。今世紀最後の取引となった大納会の12月29日、東証平均株価は前日に比べ161円ほど下がり、1万3,700円台という年末終値としてはバブル崩壊後の最低水準に落ち込みました。私は株式のプロではないので株価見通
しは差し控えますが、仮に現在のような株価低迷が続けば、各企業、特に金融関係機関の資本構成に大きく影響を及ぼし、かつてのBIS規制問題が日本の金融界に再び出てくるのではないかと恐れます。おそらく1万3,000円台という現在の株価水準は、そうした金融不安を引き起こしかねないぎりぎりのレベルであると考えます。
これに対処するに、かなり大胆な手を考えなければならない時が来るかもしれません。そのためには、実行する政府及び行政が、国民の間からしっかりと信頼を得ること、そして与野党の間に、しっかりとした信頼関係が生まれなければ、根本的で大胆な手は打てないだろうと思っています。
平成10年の8~9月いわゆる金融国会の第1段の時には、政策新人類といわれた人たちを中心に与野党の間にはそうした信頼関係がありました。金融不安を日本から輸出してはいけない、世界恐慌の引き金を日本がひいてはいけない、だから金融問題を政局にしてはいけない、という信頼関係がありました。金融状況の危機に政治が一緒に立ち向かうという共通認識があったのです。
今、必要なことは、株価下落にいたずらに動揺するのでなく、政府、民間企業ともに、自らのやるべき仕事をしっかり遂行することだと思います。政府の果たすべき役割は、国民の信頼を勝ち取るようなしっかりしたリーダーシップを発揮し、日本経済の将来に期待が持てるような大胆な構造改革のビジョンを提示することです。短絡的な株式買い上げ機構の設立や公的資金による価格維持政策(PKO)は問題の解決にはつながりません。一方、民間企業は、収益性の高い分野へ経営資源をシフトし、資本効率の向上に努めるべきです。また、余力のある企業は、自社株買いを積極的に検討すべきでしょう。株価下落は、日本の政治家、企業、国民に対して構造改革に対する決意を促しているのです。
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