活動報告

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自由民主党「全国 車座キャラバン」第2回秋田県八峰町 平成21年5月27日(水) VOL.2

更新日:平成21年8月10日(月)
掲載日:平成21年6月25日(木)

>> 教育と地域、格差

農家の皆さんとの車座ミーティング

地域経済活性化のために…活力ある人材の登場を!

八森小学校での懇談会は、主に秋田県の小学校教育における子供たちの「伸ばし方」を考えてきました。その後の八峰町の「車座懇談」では、もうひとつの問題、なぜ大学進学率が低いのかという点が話し合いの中心になりました。八森小学校での懇談会の最後でも触れられていたように、そこにはどうしても家計、経済的な問題が潜んでいます。それをどのように解消するか、教育に限らず、農業、林業、漁業にわたり、広く加藤紘一議員と地元の方々との意見が交換されました。3時間以上にも及ぶ長い懇談でしたので、紙面の都合上、ほんの一部しか紹介できませんが、そこからこのブログをご覧になった皆さんが、地方が抱える問題と、それに対する加藤議員の考えをお感じになっていただければ幸いです。

農家の皆さんとの車座ミーティング:秋田県八峰町 農家の皆さんとの車座ミーティング:秋田県八峰町

キャラバン隊メンバー:

 

※ 各メンバーの()内に表記しております選挙区または比例代表は、平成21年8月10日現在のものです。

※ 青色の発言は、キャラバン隊メンバーのものです
優秀な人材を地元にとどめるには

佐藤: それでは、「車座キャラバンin秋田八峰町」を始めたいと思います。今回の会の進行役を仰せつかりました佐藤です。なにぶん不慣れですけれども、よろしくお願いしたいと思います。 まずは長旅でお疲れかと思いますけれども、キャラバン隊の隊長、山形3区選出の加藤紘一さんからご挨拶をちょうだいしたいと思います。加藤さんは、山形鶴岡出身で、党の要を担ってきた方でございます。

加藤: どうも皆さん、こんにちは。おじゃまいたして申し訳ございません。

 実は今、日本の政治でみんな混迷していると思います。国がどういう方向に行くべきなのか。それから、自民党も民主党もいろいろあるのですが、それなりにみんなどういう方針で党を運営したらいいか迷っております。

 先日、あるテレビで竹中平蔵さんと議論したんですけれども、激しい討論になりました。でもその答えは、「やはり有権者、国民の皆さんの意見、そして生活の中に見つけていくしかないだろう」ということで、1年生議員の皆さんと私は、「それなら全国いろいろな所を歩いてみて、草の根のご意見を車座で聞いて、その中から何らかの答えを出す努力をしてみようじゃないか」ということで一致いたしました。できる限りの時間で各地をお回りし、役場で意見を聞くというのではなく、団体にご意見を聞きに行くのでもなく、直接住民、国民の皆さんからストレートに話を聞こう。そして私たちが延々と演説するのではなくて、ポソポソと質問をし、疑問に思うところに答えていただく形の中から問題を解決していくためのデータを集めてみたい。そんな気持ちで回り始めたわけです。

 秋田県は小学校中学校の学力テストで、全国で第1位の県なんですが、ところがそのあとの大学の入試という意味では、必ずしも膨大な数が入っているわけではありません。逆に言えば、あの試験で成績のあまりよくなかった都道府県が大学にたくさんの子弟を入れて、そしてそれが社会に出ていい就職先を獲得して、より恵まれた生活の階段を上がっていくというとするならば、それは若干不公平ではないか。そこの原因はどこにあるのだろう、というあたりをちょっと現地に行って見てみたい。そういう意味でまいりました。ここで保護者の方、地域の方にぜひそういう教育問題をお聞きしたいし、またそこを議論していくと、地域の経済格差みたいな問題も最終的にはあるのかとも感じています。地域のことや、ほかの社会福祉の問題等についても、農業の問題につきましても、広くご意見いただければと思っています。

司会: それではさっそく懇談会に入りたいと思います。今日、来られた最初の目的、学力テストで八森小学校が全国でトップクラスになったということ。その小学校を視察したいということでございましたので、最初に教育問題についてご意見、ご要望を出していただけばと思います。

松岡: 八森小学校でPTA会長を務めさせていただいております松岡といいます。

 この学校は本当に全国トップレベルの学校なのかなということ、正直、実感はわいていません。ただ現実、トップレベルだということで、じゃあ何がいいのかなというと、子どもが元気なことなのかなと思っています。たぶん今日、ご視察されておわかりになったかと思うんですけれども、とにかく元気のいい子どもたちで、あいさつだけはきちんとできる子どもたちじゃないかなと思っています。

加藤: 実は秋田の教育の話を、こちらに来る前に東京でいろいろ聞くと、そんなに特徴あるわけではなかった。ただ、意外なことをみんな言っていて、それは、秋田はちゃんと朝ごはんを食べさせているということです。それで、そんなに人口の多い所じゃないものだから、まず携帯電話をあまり子どもに使わせない。それから、家で子どもをよく見ている。そんな関係もあるからか、学校から帰ってから、少し復習とか予習をするというのが子どもたちにある。なかなか立派な子どもたちが多いんだなと。今、PTA会長さんも、「うちがなぜトップクラスなのかよくわからん」とおっしゃったけれど、刺激の強い都会では、ありとあらゆる所に子どもたちの目が向くけど、ここは比較的落ち着いた地域なので、子どもたちは家に帰って落ち着いた生活をしているからではないかというのが、とりあえずの印象です。

松岡: 大学になかなか行けないというような話もありましたが、これは、ひとつはやはり経済的なことだと思います。ここからいちばん近い大学というと秋田市まで出なきゃいけないんですけれども、それでも通学することはできませんので、下宿させたりアパートを借りたりすると、十数万という金が毎月出ていくわけです、生活費だけで。ですから、これはなかなか厳しい状況であると思います。

山本: それより先に、「少子化、少子化」ってずいぶん騒がれていまして、今回統合されたのも生徒が少なかったせいで統合になったわけですよね。地域を見ておりますと、嫁さんをもらっていない若者がたくさんおります。そうすると、子どもは産めない。どうしてそうなのかなと思って考えてみると、定職を持っていない。やはり働く所がなくて、まず安定したサラリーがいただけない。というと、やはり嫁さんは来ないと思います。勤めがないということは本当に悲しいことだと思います。最近、公共事業がずいぶんカットされました。この辺にあります建設業者、またそれに付帯する関係の事業は本当にかわいそうに倒産しています。この田舎はそういう方たちを頼りに、わずかばかりの田んぼや畑を耕し、家族を守って、地域おこしをしているんです。地域を守っているんです。それができない状態に、今なっているように思います。そう考えると、やはり地域おこしは職場、仕事を求めないといけないんじゃないかな。

加藤: 今の点は、われわれ地方から出ております国会議員の最大のテーマなんですね。農業のほうも機械化でそんなに人がいらなくなってきている。特にコメ作りはそうです。また、工業という点では、かなりの工場がいわゆる単純にコイルを巻いたりミシンを踏んだりした仕事は、外国に持っていかれている。これは日本全体の問題です。

 それから公共事業については、不景気で国にお金がなくなったらできなくなる。それに加えて過去5〜6年の国の政治は「地方に公共事業を配るということは、あまりよくない」みたいな世論にだんだんなりまして、減っています。それが今の苦労になっていると思います。

 そこで、地場で自分の所で仕事をつくれないかというのがあって、我々の所もいろいろ苦労しているのですが、案外つくろうと思えばつくれることもあると思っています。

 例えば、私の山形県の酒田市に平田牧場というのがあります。養豚業でして、今、大変おいしい豚肉を作るようになり、年間の商売が250億円なんです。250億円といったら膨大な金額で、そして味のほうで全国一かなというぐらいまで思っています。

 結論を言うと、最近どうも地方が非常に疲弊しているのは、人材を取られているということではないでしょうか。ちょっと優秀な人間が、学校の成績がいいと東京の大学に行って就職する。その人は村に残っていたら、おそらく村長にもなるし、そういう事業を興こすかもしれません。東京で日立とか東芝とかトヨタで勤めて、みんな社長になるわけじゃないですからね。銀行に勤めて頭取になるわけじゃなく、ちょっとした東京の駅前支店長ぐらいで人生終わるんだけれど、「もったいないなぁ」というふうに思うんですね。

 だから、村に人材をとどめておく力がなくなったというところに、どうも問題があるのではないか。それをとどめさせるような力を政治でどうやって与えたらいいだろうか? となると、「村に残って、地元に残っていても世の中楽しいよ」という全体的な流れをつくらんと、優秀な人材は東京に憧れちゃうんじゃないか。地域コミュニティを大事にするという雰囲気を、政治でどうやってつくっていけるのか、必死になって今、考えているんですけどね。それを全国キャラバンやりながら、どうやったらそういう風潮になるのか…。

 秋田でやっているもののひとつに、コールセンターがあります。あれは秋田市の周辺で2,000人ぐらいの雇用つくっているでしょう。何も東京でやらなくてもいいし、それは秋田市周辺で成功したなら、この辺でやろうと思えばできるんで。地域に仕事をつくるやり方は、あると思うんですよ。

コメの次に何をつくるのかコンセンサスをとる

JA組合長:

 少し農業のことに申し上げさせていただきたいと思います。政治的な状況もありまして、何が何だかわからないうちにコロコロと変わっています。「こうやります」という頭のてっぺんだけを見せて、あとから細部にわたって変化してくるということで、私どももたいへん悩んでおります。補助金自体は、私は何も悪いと言いません。でも、そういうものをやるのだったら、もっと早く政策上で決定したものを示して、いろいろしてもらえればありがたいなと思っております。

加藤: 農政についても皆さんいろいろ言っているんだけれど、日々変わっています。日本の農業は総生産額8兆3,000億という金額なんですけれども、一番の売上、部門別に一番多いものはなんだろうというと、みんな「コメ」だと思うでしょう。違うんです。酪農畜産。これが2兆3,000億で第1位。第2位は何だと。またコメじゃなくて、野菜なんです。2兆1,000億で第2位。第3位がコメで、1兆8,000億。第4位が果樹、7,000億。第5位が花、5,000億。あと、小麦と大豆が1,500億円ぐらいでダーンと下のほうにいる。今のを足してもらうと8兆3,000億近くになります。なぜコメは3位かというと、コメを食べる量が減ったんです。だから、この辺で畜産やってもいいし、それから野菜だって2反歩3反歩あれができるし、1町歩の野菜作りなんかやったら、足腰立たないぐらいだからね。だから農業はすべてコメだと考えないでほしいってことがあります。

それから、それでもやっぱり日本は、おコメはちゃんと作っているけれど、その次に重要な大豆は500万トン。そのうち本当の食用のしょうゆ、みそ、納豆、豆腐は100万トンが必要なのに、20万トンしか作っていないんですよ。今の減反している田んぼの半分を大豆で埋めて、半分を稲庭うどんの小麦を植えてもらうと、日本の農地はもうありません。たっぷりになっちゃいます。

組合長:

 日本の食を考えた場合は、いろいろな状況はあると思うけど、大豆だけはきちっと消費する分を国の責任で私はやったほうがいいと思うんですけれども。

加藤: 国の責任というか、国が「大豆ですよ」と、「そうですね、皆さん」と。それで、「そうだ」と思う、この国民的なコンセンサスを国がリードしてつくらなきゃならんと思うんですね。小泉さん時代、ちょっと農政が「作る自由、売る自由」みたいなことを、市場制度の農業政策ってやったことが、だいぶ混乱したと思っています。やはり国全体の食糧戦略考えて、「おっ、コメはこれで全部できたな。次はやっぱり大豆だな」ということをバシッと言って。それでも大豆ができない土地では「稲庭も必要だ」ということで、その特産でやってくれというはっきりとした方針を出さなきゃいかんと思いますね。

村井(県漁業連):

 山形県漁協さんも、今一番苦しんでいるのは、たぶん水揚げ高の減少です。合併した時には50億。今は20年度の決算で43億ですか。6年間で7億落ちています。この原因というのはいろいろありますけれども、特に大きいのは魚が安いこと。平均して1年間に1億2,000万ずつダウンしています。漁獲量はその年によって増えたり減ったりしますが、しかし一番の問題は、やはり魚が安いということなわけです。

加藤: 簡単に言えば、原因は輸入ですね。サケやタイなどの切り身、それからその他のエビの種類にしても、食べやすく処理してある魚、エビ、貝類が膨大に入ってきている。一方、国内産の魚は、本当の地元のサバにしてもそれからマスにしても、みんな味が濃密でおいしいけれども、さばくのに手間がかかるから、3枚おろしができなくなった主婦はあまり買わない。寿司屋で扱ってもらうと、これはうまいけれども非常に高いわけだから、その需要だけでは価格引き上げ効果が少ないということじゃないでしょうか。

村井: ただ、制度そのものも問題です。今現在、漁師が魚を獲ってきて組合にあげて、一応競りとか入札の制度というのはあるけれど、農家と同じで、漁民は自分で値段を決められない。そこが難しいところで、その辺も含めて流通という機構もいろいろ考えてもらいた。

加藤: 魚の流通の参考資料になるかわかりませが、今年の補正予算で80億円ほどのお金を用意して、産直をちゃんとやろうと。つまり、農家直接のマーケット、ある意味では農協直接のマーケットということで、大都会でやれないかと思っています。なぜ高い値段でスーパーで売られるようになるかというと、品ぞろえを完ぺきにしようとするとああいうふうになっちゃうからですね。それで、店に行ったら必ずこの野菜があるものだと思う。で、店もそれをそろえなきゃ評判が落ちると思うから、何だって全部そろえる。そこに原因がありますね。

 だから例えば、北海道の単協と秋田の単協と九州の単協と、3単協が合体で東京のどこかに産直つくるという仕組みをやってごらんなさいと。やる気になれば場所代のリース代ぐらいみてあげるよ、みたいな補助金が出てくる。

森山: それをやると、流通業者の意識が変わるもんですよ。これは、いくら言っても変わりませんから、実際に産直をやると「あ、これじゃいけないな」といって、流通業者も意識を変えてくれると思うんですね。

加藤: 大都会に産直作って、それで豊漁したには、その魚だけはいっぱいあるというような。今日はタイ食いたいと思って行っても、ない時にはない。そんな場所が1カ所ぐらいあったらおもしろくないかな。

斎藤: ひとつよろしくお願いします。農家は今、高齢化で、ここは70%ぐらいが65歳以上です。私は72歳で、まだ現役で農業やらなきゃならん状態です。やっぱり収入がなければ、若い人が定着できません。

 それと、我々には先祖が残してくれた山がありますけれども、今の何にも役に立っていない。これは国で木材を使う何かがあれば、大工さんや工務店のほうでも需要が出てくると思うんですね。果たしてそれが今、材料になるのかならないのか、非常に不安になっているわけです。このままでいいのか。環境、環境って騒いでいるけれども、本当に山にいいことなのかということになっているし。そういうふうな状況を、国としてはどう見ているんだかな。

加藤: 私からいきましょう。終戦直後、山から木をだいぶ切ったものだから、材木がなくなってしまった。でも家を建てなければならないから、外材をとにかく入れて入れて、材木の関税ゼロにして、「自由に入れてください」とやってしまった。当時は国産材も高かったんだけれど、外材に押されて、今さら関税をつけるわけにもいかなくなりましてね。本当に国内の木材は苦しくなっています。しかし、そろそろ山にある材木も、国内のものを完全に供給できるような生産力まできましたよね。貯蔵量も。それから、外材もそれぞれの国があまり違法伐採して日本に出してはいけないというようになってきてしまった。そういう世論も日本としてつくってきましたから、少しずつ状況よくなってきているのではないかと思いますので。

 それから、間伐の補助金と作業道をいっぱい造る援助ということで、予算もだいぶつきはじめました。そこに環境問題の風がきて、Co2対策の半分以上は森林でやってもらわなきゃ困るみたいなことになってきたので、予算も税制上もだいぶよくなりましたんで、だんだんこれからよくなると思います。

斎藤: じゃあ、少し待ってみる(笑)。

司会: 終わりの時間をおよそ3時ごろということでお話ししたんですけれども、ちょうど時間になりました。ここで今回の懇談会を加藤先生にまとめていただきまして、終わりにしたいと思います。よろしくお願いします。

加藤: 本日は皆さん、お忙しい時間、ありがとうございました。

 最近、我々自民党にも大変厳しい風が吹いておりまして、そういう中で民主党が必ずしも完ぺきではないんだから頑張ろうと。特に小沢さんの問題出てから、民主党もなんかもうひとつの自民党みたいになっているんで、我々もここでしっかり頑張って体制を立て直そうと思っております。その最大の対策というのは、補正予算もあるし、いろいろな外交活動もあるけれど、一番は自分たちの目線を一般有権者、国民の感覚にあったところに据え直す。その徹底しか対策はないだろうと私は考えています。そんな自分たちを鍛えるためにも、行脚をしていきたいと思っております。今日、この場所を設定していただき、いろいろなお話を聞き、いくつかの点で目からうろこみたいなことがございます。感謝申し上げます。

 ここは、いい地域コミュニティだなと思います。日教組の委員長をしていたある人が岩手出身の方でしたが、4〜5年前、私にこう言ったことがあります。我々の自民党から見ると敵対する組織の委員長なんですが、印象的な言葉でした。それは、「我々教師がどんなにいい学校をつくろうと思っても、その地元の地域が荒れていたら絶対いい学校にはなりません。どんなに努力してもならんのです。地元の地域が和やかな所だと、我々教師がほんのちょっと努力しただけで素晴らしい学校になるんです。これ不思議なものです。例外はありません」と、こう言っていました。 今日、学校を見せていただき、そして皆さんとお会いして、ああ、あの言葉は本当なんだなと感じさせられました。こういう社会をもっともっと前のように豊かにみんなが笑い声の、そして若い衆のかけ声の多い社会に戻るように、必死に努力してまいりたい。こんなふうに思っております。…どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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